保育士試験の実技がなくなる!?厚労省が検討
- 保育ニュース
- 2015/06/15
今月5日に開かれた「保育士養成課程等検討会」で、厚生労働省は「実技試験を実習や講習におきかえる」ことを提案しました。
(※2015/9/10 2016年度の地域限定保育士試験から、実技試験免除が導入されることになりました。実技試験のかわりに4〜5日間(計27時間)実習を受講することで、実技試験が免除されます。)
保育士の実技試験が、実習や講習に変わる?
ー福祉新聞WEBよりー
実技試験を実習や講習におきかえるとどんなメリットが?
多くの国家試験合格者は、「現場経験の無さ(少なさ)」を不安に感じています。試験対策でピアノや読み聞かせなどを身に付けたとはいえ、保育士養成校卒業者のように子どもと触れ合う機会は設けられていません。
そのため、現場で役立つスキルを習得するための研修を希望する声が多く聞かれます。
現状では、筆記試験の合格者は実技試験を受ける流れになっていますが、これが実習や講習におきかわれば、現場経験に対する不安を緩和し、就職後スムーズに子どもと関われるようになる、という効果が期待できます。
反対に、どんな問題点が存在する?
保育園で実習や講習を行う場合、現場の負担が大きくなることが懸念されます。
ただでさえ人手が足りないため、実習生を受け入れることは簡単ではありません。
ー福祉新聞WEBよりー
また、実技試験を免除しても合格者が増えることは考えにくい、というデータもあります。2014年の保育士試験の合格率は19.3%と低い数値ですが、実技試験単体の合格率は89%。
筆記試験に合格したほとんどの方が、実技試験をクリアしているのです。
実技試験を実習等におきかえるより、実践ではいかしにくい些末な数値等を問うような筆記問題を無くし、今現場で求められる知識を問う問題(障がいや保護者支援など)を出題することの方が、
保育士確保、それも質の良い保育士確保という面で有効ではないでしょうか。
今後の予定は?
厚生労働省は、地域限定保育士試験からの導入を提案しており、今後は実技試験にかわる講習や実習の科目や内容などについて検討するとしています。
今後の動きに注目し、適宜ご紹介したいと思います。
≪参考URL≫
保育士国家試験 実技を実習や講習に代替へ(福祉新聞WEB)
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