将来どうなる?公立保育所と私立保育所の給与格差 最新データに注目!
- 保育士お役立ち情報
- 2015/05/15
「公立保育所は給与が高い」と言われますが、実際に民間の保育所とどの程度違うのでしょうか?
また民営化の流れで将来的にはなくなっていく公立保育所。将来、保育所の就職はどのように選ぶべきなのでしょうか?
関連記事:「公立と私立 給与以外の違い」
公立保育所で働く保育士の年収 全国平均の1.7倍
全国の保育士平均と、練馬区の公立保育士の給与を比較すると、年間で1.7倍(約200万円)の差があります。
給与月額 : 216,100円
年間賞与 : 573,800円(月給2.6ヶ月分)
年収平均 : 3,167,000円
平均年齢 : 34.8歳
(厚生労働省「平成26年度 賃金構造基本統計調査」より)
給与月額 : 331,601円
年間賞与 : 1,399,066円(月給4.2ヶ月分)
年収平均 : 5,378,278円
平均年齢 : 44歳
(東京都練馬区「平成26年度 職員の給与の状況」より)
月給12万円の差はどこから?“勤続年数”が影響
実は、初任給の時点では公立と私立で大きな差はありません。
ところが、上記の全体平均では月給12万円もの格差が出るのはどうしてでしょうか?
育休制度の徹底度の違い
公立の保育士は「地方公務員」。正規雇用であれば育児休業の取得が徹底されているため、新卒入職〜出産育児を経て長く働く職員が多く、平均年齢が高め。給与は年功序列型で増えていきます。
一方で、私立保育所は出産・子育てによる離職が多く、平均年齢は10歳近い差が出ています。
子育てブランクはそのまま給与に反映される
私立保育所の月額給与は一般的に認可保育所の経験年数から算定されるのが主流。例えば同じ40代でも、子育て期間のブランクがあった場合は経験年数が短くなるため、公立に在籍し続けた保育士に比べると給与が低くなるのです。
民営化と保育士処遇改善で変わる、保育士のキャリア形成
公立保育所は今後なくなる
さて、現在は待遇が良い公立保育園ですが、国の政策により、保育所の民営化が自治体裁量で進んでいます。現状でも既に公立の求人は減少しており、非常に狭き門となっていますが、将来的にはすべての保育所を民営化することを公表している自治体が多数です。
現在公立保育所で働いている保育士の方も、将来的に自分が働く自治体に公立保育所の雇用がなくなれば、公務員として全く別の職種で働くか、保育士の仕事を続けるのであれば私立保育所への就職が必要です。
年功序列型から能力評価型のキャリア形成へ
株式会社の参入などにより、保育業界にも意欲・能力重視のキャリアアップの概念が広がりつつあります。
保育士の転職の目的は給与アップや職場環境を変えたいというものだけではなく、様々な園を経験することで、異なる規模や年齢の保育スキル、カリキュラムを学びたいなど、キャリア形成を意識した転職が増えてきました。
例えば、下記の例は園長として社会福祉法人園に転職した際の給与事例。
年齢や経験年数に限らず、本人の意欲や能力によって評価され、園長や主任などの役職を任されることがあります。そのような場合は月給に役職手当などがつき、同年代の公務員並み、またはそれ以上の月給を得ているケースは少なくありません。
給与月額 : 350,000円
年間賞与 : 1,050,000円(月給3ヶ月分)
年収平均 : 5,250,000円
(保育士.net 平成27年4月人材紹介事例より)
保育士の処遇改善で、私立でも長く勤続する保育士が増えていく
保育士の離職理由第1位は「給与所得の低さ」。低賃金と離職増加の負のスパイラルを食い止めるため、保育士の処遇改善対策は国をあげて取り組まれており、自治体や事業者による独自の給与アップも相次いでいます。
また、長く働くための福利厚生面の職場環境づくりが各事業者によって努力されています。中には、育休復職率90%の私立保育所も出てきました。
公立がなくなる=保育士の処遇は下げ止まりではなく、処遇改善によって将来的には私立でも現在の公立同様に勤続年数の長い保育士が増え、給与平均が向上していくことが期待されます。
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