ひとり親家庭を対象とした、学びなおし支援事業が開始!

厚生労働省の調査によると、所得が“貧困線”といわれる「122万円」を下回る世帯で暮らす17歳以下の子どもの割合は16.3%(平成24年度)。これは日本で暮らす子ども達の6人に1人が貧困に苦しんでいるという計算になります。こうした問題を受け、貧困率の高いひとり親が安定した職につけるよう支援する事業が今年度より始まりました。

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ひとり親家庭を対象に、高卒認定資格取得にかかる一部費用を負担する事業が開始

全国母子世帯等調査によると、ひとり親家庭の平均所得額は、母子の場合は181万円、父子の場合は360万円と、平均所得額の548万円を大きく下回っています。
この所得額の低さの原因の一つには、雇用条件の悪さがあげられます。特にシングルマザーの場合は正規雇用の割合が低く、働く母親の約半分がパート・アルバイト等の非正規雇用となっています。

厚生労働省は、ひとり親の約13・8%が最終学歴が中卒であることに着目。よりよい条件で就転職するには高卒資格が必要とし、高等学校卒業程度認定試験(旧大検)を受験する場合の費用を負担する事業を今年度から開始しました。

どのような場合に費用が支給される?

ひとり親が「高卒認定試験対策講座」を修了した場合に、受講費用の2割を支給。認定資格に合格するとさらに受講費用の4割を支給します。トータルで受講費用の6割(最大15万円)を受け取ることができるのです。
>>高等学校卒業程度認定試験(旧大検)の講座はこちら(BrushUP学び)

他にもまだある!ひとり親支援事業

母子家庭等自立支援給付金

母子家庭または父子家庭の方を対象にした制度。教育訓練給付の受給資格を有していない場合でも、講座を修了した場合に経費の20%の支給が受けられたり、
看護師・介護福祉士・保育士などの特定資格の学校に通うための一部費用を受給することができます。
>>詳しくはこちら!「公的制度をいかしてお得に学ぶ方法」(BrushUP学び)

在宅就業推進事業の拡充

在宅ワークを希望するひとり親が、業務を行いながら独り立ちに向けたノウハウを蓄積できるよう、発注企業や自治体と協同しながら住宅就業コーディネーターがサポートを行います。
>>ひとり親家庭の在宅就業推進事業について(厚生労働省)

託児サービスつき職業訓練の実施

職業訓練を受講する際、ひとり親など子どもを預けなければならない場合、施設内もしくは委託施設において託児サービスを受けることができます。(受講料・託児料は共に無料)
>>託児サービスを付加した委託訓練の実施(厚生労働省)

>>その他、ひとり親支援事業について詳しく知りたい方はこちら

ひとり親が実際に利用できるかが大きな課題

こうして見ると、政府はひとり親世帯に向けて様々な対策を行っているようですすが、現実に効果的な利用が可能か、というところが大きな課題ではないでしょうか。

まず、支援策があまり認知されていないことが利用のさまたげとなっていますので、ひとり親世帯に向けての周知を徹底していく必要があります。

加えて、学びたいという意欲はあっても、日々の仕事や家事・子育てに追われているひとり親が多いことを考えると、時間を捻出することは中々難しいでしょう。
もちろんこうした金銭的な補助も重要ではありますが、“子どもの一時預かりを積極的に行う”や“相談窓口等のサポートを充実させる”などの、学習をする余裕を生み出すための施策もあわせて推進していってほしいと願います。

≪参考URL≫
・平成25年 国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)
・「母子家庭」「20代前半男性」「子ども」に際立つ日本の貧困...(ハフィントンポスト)

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