幼稚園と保育園で、こどもの成長に差は出る? ママ430名対象の意識調査
- 保育士お役立ち情報
- 2015/04/28
保育のニーズが急激に高まる中で、保護者の一部にはまだ「(子どもの成長のためには)保育所よりも幼稚園に預けたい」という意識もあるようです。保育のあり方が変革途上にある今、保護者はどのような認識を持っているのでしょうか。430名を対象に保育士.netが独自に実施したアンケート意識調査結果をレポートします。
「保育所と幼稚園、両方に預けたい」
急増する保育ニーズの裏で保護者の本音
2005年以降、共働き世帯(母親の就労時間)の増加によって“保育”のニーズは増加の一途をたどっています。保育所の利用児童数は全国で23万人増加したのに対し、幼稚園の在園児数は16万人も減少しています。
そんな中、練馬区が実施アンケート調査結果によると、保護者の過半数が「幼稚園に入園できる3歳以上になったら、延長保育つきの幼稚園に預けたい」と回答しました。
保護者の中には「保育所よりも幼稚園」という意識があるのでしょうか?
制度上では、保育と教育で区別されている
保育所と幼稚園の違い。制度上では対象年齢や開園時間が原則異なるほか、保育所では保育、幼稚園は教育を行う場所として区別されています。
児童福祉法による子供の保育施設学校教育法による教育施設
0歳〜小学校入学前 3歳以上〜小学校入学前
19時まで夕方前まで
「保育所よりも幼稚園」の概念には、この制度上の(保育と教育)の違いが影響していると考えられます。今回は「子供の成長への影響」にスポットを当て、保護者の意識の実態をアンケート調査しました。
保護者430名対象 保育士.netアンケート調査結果
保護者は子供の成長における幼稚園と保育所の違いをどのように感じているのでしょうか?
幼稚園(教育)と保育所(保育)の違い
意識調査では「どちらとも言えない」が過半数
Q.保育所と幼稚園で子供の成長に差が出ると思うかという質問に対し、48%の保護者は「どちらとも言えない」と回答しました。
殆どの保護者が幼稚園、保育所の線引きではなく、園の方針によると考えていることがわかります。
(「どちらとも言えない」と答えた保護者の声)
両方経験したママの実感値「差は出ない」が過半数!
更に、保育所、幼稚園両方の経験者は48%が「子供の成長に差は出ない」と回答しました。
(「差は出ない」と回答した両方経験者の声)
自分の子どもを保育所と幼稚園両方に預けた経験のある保護者は、結果として預けた園によって成長の違いに差はなく、寧ろ保護者とのコミュニケーションにその要因を唱える辛口意見が目立ちました。
成長への影響「保育所か、幼稚園かで一概に判断できない」
制度上では教育と保育で区別されているものの、「保育所での幼児教育ニーズ」の高まりに応え、近年では多くの保育所で独自の知育が取り入れられるといった背景があることから、過半数の保護者は「(子供の成長への影響は)幼稚園と保育園という線引きではなく、園による」と考えているという結果でした。
待機児童問題を受けて国家的な政策が実施される中で、保育所のあり方は今後も変化し、園の方針や教育・保育のカリキュラムが更に多様化することが予想されます。 また、認定こども園や延長保育付きの幼稚園が今後拡大すると、保育園と幼稚園における教育と保育の境界線はこれまで以上に薄れていくのかもしれません。
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