【保育士証】名義の変更や紛失などの届け出はどうしたらよいの?
- 保育士お役立ち情報
- 2023/05/22
保育士であることを証明する「保育士証」は、保育士にとっては非常に大切なものであることは言うまでもありません。保育士として保育園やこども園で勤務する場合、面接や就職する際に必ず提出をしなければなりません。しかし、結婚や離婚などさまざまな事情で名義が変更になることがありますが、そのような機会は誰でもあるわけではなく、また頻繁にあることではありません。そのため、変更の届けはどのようにしたらよいのか疑問に思う人が多くいることでしょう。
今回の記事では、保育士証の変更が生じた場合の手続き方法を中心に、紛失した場合の届け出など保育士証について解説します。
保育士証とは
保育士証とは「保育士資格証明書」の略称で、保育士資格を取得していることを証明する書類です。保育士は平成15年11月、児童福祉法が改正された際に国家資格となり、それまでの「保母」という名称から「保育士」に変わりました。それ以前は、保母の養成学校の必要単位を取得し卒業する際や、保母試験に合格した際に資格を取得すればすぐに働くことができましたが、現在では保育士証の養成校卒業や試験合格後に、各都道府県において保育士登録を行う必要があります。保育士登録を行わなければ保育士証の交付を受けられず、保育士として働くことはできません。保育士登録をすることで、各都道府県知事が発行する保育士証を受け取り、保育士資格の取得ができるのです。
養成校では、卒業の際にまとめて申請を行ってもらえるところが多いですが、保育士試験を受けて合格した人は自身での申請が必要です。また、平成15年の児童福祉法改正以前に保母資格を取得した人は、新たに保育士登録をして保育士証の交付を受けなければ保育士として勤務することはできませんので注意しましょう。
保育士証の変更手続きについて
結婚や離婚などで名字が変わった場合や、県外への引っ越しで本籍が変わった場合などは、変更の手続きが必要です。退職や休職などをしている間に変更事由が生じた場合、つい手続きを忘れてしまい、復職する際に慌ててしまうというケースがあります。変更手続きには時間や手間がかかるため、後で慌てないよう変更手続きが必要な事案が発生した際はすぐに手続きすることをおすすめします。
変更手続きについて、詳しく解説します。
保育士証の変更手続き 手順@ 「登録変更等の手引き」を取り寄せる
変更手続きを行う前に、まずは「登録変更等の手引き(保育士証書換え交付申請用)」を取り寄せましょう。手引きには、申請書や記入例などがセットになっています。手引きを請求するためには、以下のものが必要です。
・返信用封筒:1枚(角形2号)
※A4サイズの用紙を折らずに入れられるサイズ)
・返信用封筒に貼る切手:請求部数に応じた郵便料金分
・送信用封筒:1枚(返信用封筒を入れて送るため)
※返信用封筒は折り畳んで入れられるので、送信用の封筒は定型サイズのもので大丈夫です。
・送信用封筒に貼る切手:郵送に必要な金額分
※封筒は、送信用と返信用の2枚とも、請求内容の明記が必要です。赤ペンで、「書換え手引き○部」と記入しましょう。準備が整ったら、登録事務処理センターに発送します。
※宅配人会社のメール便は不可。日本郵便の郵送のみ可。
保育士証の変更手続き 手順A 手数料を振り込む
手引きが届いたら、手数料の振り込みが必要です。金額は、書換え交付1人につき1,600円。手引きに同封されている専用の払い込み用紙を利用して振り込みましょう。
※払込用紙は、1人につき1枚です。1枚で複数の人数分を振り込むことはできません。
※郵便局に備え付けの払込用紙は、使用不可。また、ATMでの手続きはできません。
保育士証の変更手続き 手順B 申請に必要な書類を準備する
申請には、以下の書類が必要です。
・保育士証書書換え交付申請書
※手引きに同封
・振替払込受付証明書
※書換え手引きに同封されている手数料払込要旨の右端の部分を、申請書の裏面に糊付けする。
・現保育士証
・戸籍謄本(戸籍の個人事項証明書)
※次のうち、いずれか1つ
・保育士証に記載されている氏名及び本籍地から変更した経緯が確認できるもの。
※申請書を送付する日から6カ月以内のもの
・外国籍の場合は、必要に応じ住民票・外国人登録原票。
保育士証の変更手続き 手順C 申請書類を提出する
提出先は、都道府県から委託された登録事務処理センターです。窓口業務は行っていないため、必ず郵便局の窓口にて簡易書留郵便で提出しましょう。
保育士証の変更手続き 手順D 保育士証の書換え交付
申請先の都道府県において審査され、変更事項が各都道府県の保育士登録簿に記載された後に、書換え交付され、郵送されてきます。
引用:登録事務処理センター 保育士証 書換え交付申請手続き
保育士証の再発行
保育士証を紛失したり汚れてしまったりした場合は、保育士証を再発行することができます。手続きの手順は、手数料の金額が異なる以外は変更手続きの手順と同じです。(再発行手続きの手数料は、1,100円。)変更手続き同様、最初に「登録変更等の手引き」を取り寄せ、手数料の振り込み後、書類を提出します。書類は、手引きに同封されている「保育士証再交付申請書」のほか、変更手続き同様振替払込受付証明書の提出が必要です。紛失した場合を除き、手元の現保育士証も一緒に提出します。
保育士証の再発行にも、変更手続き同様約2カ月かかります。3カ月を過ぎても届かない場合は、登録事務処理センターに連絡してみましょう。
引用:登録事務処理センター 保育士証 再交付申請手続き
保育士証の登録、更新の必要性
保育士として勤務をする場合は、保育士登録は必ず行わなければなりません。しかし、保育士の資格を取得しても、保育士として働く予定がなければ登録をする必要はありません。したがって、1度保育士登録をして勤務した後に退職し、その後保育士として復帰する予定がないのであれば、変更手続きや再交付が必要な事案が発生しても手続きを行う必要はありません。ただし、もう1度保育士として働こうと思ったときに慌てて登録をしようとしても手続きに時間がかかるため、保育士として働く可能性がある場合は事前に手続きを済ませておくことをおすすめします。
尚、保育士証に有効期限はないため、1度保育士登録をすると運転免許証のような更新手続きは不要です。保育士の資格を取得したけど別の職業に就くという場合は、登録の必要はありません。また、引っ越しをしても、本籍地が変わらなければ更新は不要です。
保育士資格自体にも有効期限はないため、保育士資格を取得した後すぐに登録をしなくても、その後何年経過したとしても、いつでも登録できます。
まとめ
保育士資格は更新の必要がない生涯資格ですが、保育士資格を取得しても保育士登録をしなければ保育士として働くことはできません。しかし、1度登録を行って保育士証の交付を受ければ、「国家戦略特別区限定(地域限定)保育士」を除いて全国どこでも、いつからでも保育士として働くことができます。そして、名前や本籍地の変更、紛失、汚れなどがあれば変更及び再交付の手続きが可能です。
手続きには「新しく登録する場合」「名義変更」「再交付」の3パターンありますが、手数料の金額と申請書が異なる以外は基本的に、最初に「登録変更等の手引き」を取り寄せ、手数料を振り込み、書類提出するという手順は同じです。3パターンとも申請から交付までは約2カ月の時間がかかりますので、必要になってから慌てないよう気をつけましょう。
ライタープロフィール
西須 洋文さん
30年以上、保育士として保育園やこども園に勤務。現在はWebライター、リトミックや親子遊びの講師などとして活動中。
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