保育園の年間行事、ねらいとポイントについて紹介!
- 保育園行事
- 2023/03/13
保育園での年間行事について、そのねらい、ポイントを紹介します。
保育園の年間行事には大切な役割がある
保育園には、一年を通してたくさんの年間行事がありますね。ただ、普段その役割について深く考えることはないのではないでしょうか。
ご存じのとおり、行事の計画や準備は大変なもの。せっかく行事をやるのであれば、ただ漫然とやるのではなく、そのねらいも考えて実施し、より有意義なものにしたいですね。
年間行事とねらいについて紹介!
保育園で行われる一般的な年間行事について、そのねらい、ポイントを紹介します。 計画を立てる際の参考にしてみてください。
4月 入園式、進級式
入園式のねらい
「入園することに喜びを感じる。園生活の楽しい雰囲気を感じ、期待を高める」
入園式では、新しい生活に不安を抱えている子もいるかもしれません。そんな子たちもあたたかく迎えられる式にしたいですね。
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進級式のねらい
「進級したこと、成長を友だちと共に喜ぶ。新たなクラスで始まる園生活に期待感を持つ」
進級式では、保育士から子ども、保護者へ挨拶することが多いようです。初めての出会いになる場合もあるので、丁寧に話すことを心掛けて、笑顔で挨拶するとよいですね。
5月 こどもの日
ねらい
「こいのぼりや兜などを見たり制作することで、こどもの日について興味を持つ。行事に楽しく参加する」
こどもの日は端午の節句にあたり、日本の伝統行事に触れる機会でもあります。園でのこどもの日は、伝統行事である意味合いも考えて、企画していくとよいでしょう。
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・【こどもの日】保育園での出し物・遊びのアイデアなどを紹介!
6月 保育参観
ねらい
「子どもが園でどのように生活しているか、保護者に見てもらう。園の保育方針について再度認識してもらう。親子の触れ合いを楽しんでもらう」
普段忙しく、子どもとのふれあいが少ない保護者もいます。なので、親子でできる製作やゲームを取り入れ、親子で関わる時間をつくるとよいでしょう。
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7月 七夕
ねらい
「七夕について知り、興味や関心を持って行事に参加する。願い事を書き、将来の自分に夢をふくらませる」
現在、家庭で七夕の行事をすることは少なくなっています。七夕の歌にあるような「軒端に揺れる笹」もあまり見かけることはありません。なので、保育園では、伝統行事である七夕を体験できる機会をつくっていけるとよいですね。
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8月 夏祭り
ねらい
「夏祭りを通して、夏の風物詩に親しむ。保護者や友達と触れ合いながら、祭りを楽しむ」
夏祭りは、今や家庭で体験することの少ないうちわ、風鈴、ちょうちんなどの伝統的な夏の風物詩に触れる機会にもなります。いつもとは異なるお祭りの空間を用意して、夏の楽しい思い出をつくりましょう。
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9月 敬老の日
ねらい
「お年寄りへの感謝の気持ちを育む。子どもとその祖父母との交流の機会にする」
祖父母に向けて、手作りのプレゼントを用意したり、手紙を書いたりすることが多いようです。地域のお年寄りを招いての行事にしてもよいですね。
10月 運動会・ハロウィン
運動会のねらい
「楽しく身体表現する。親子の触れ合いをたくさん経験する。目標に向かって頑張る力を育む」
最近では「子どもにどんな経験をさせたいか」でなく「保護者へどうアピールするか」に力点が置かれてしまっている運動会も多いようです。今一度、子どもの発達に寄り添った運動会を考えてみることもおすすめです。
ハロウィンのねらい
「友達や異年齢の子たち、地域の方たちとの交流を通して、ハロウィンの行事を楽しむ。海外の行事や文化に親しみを持つ。」
ハロウィンでは、場合によっては、地域の方との交流も可能です。あらかじめ近所のお店にお話をして、屋外でのトリックオアトリートにチャレンジするのも楽しいですね。
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11月 発表会・作品展
発表会のねらい
「日々の成果を友だちや保護者に発表することで、達成感を感じる。音楽や物語に親しむ」
発表会では、子どもたちの成長を保護者の方に感じてもらい、ともに喜びあう機会にしたいですね。
作品展のねらい
「作品づくりを通して、創造力、表現力を養う。共同制作を通して、皆で作り上げる喜びを感じ、協力し合う楽しさを感じる」
作品展は子どもたちが主体となるので、保育士は子どもたちの作りたいものを実現できるように、サポートする姿勢が必要になります。
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12月 クリスマス
ねらい
「年中行事であるクリスマスに親しみを持ち、楽しく参加する。イベントを通して、お友達や保育士と楽しい気持ちを共有する」
クリスマス行事では、保育士が出し物をすることが多いようです。例えば、手品やハンドベルなど普段あまりやらないような出し物にすると、クリスマスの雰囲気が盛り上がりますね。
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1月 正月
ねらい
「お正月遊びをきっかけとして、日本の伝統に興味を持つ」
お正月明けで保育園生活が始まったばかりの頃は、不安定な気持ちの子も出てきます。なので、楽しいお正月遊びをたくさん体験させてあげて、子どもの気持ちを盛り上げてあげるとよいでしょう。
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2月 節分
ねらい
「年中行事である節分について知り、楽しく参加する。豆まきや製作を通して行事を楽しむ」
節分では“「心の中の鬼」に豆まきして退治する”というアプローチもあります。
「心の中に、こんな鬼はいないかな?」と、声がけをしながら豆まきをするのもおすすめです。
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3月 ひな祭り・卒園式
ひな祭りのねらい
「年中行事であるひな祭りについて知り、楽しく参加する。ひな祭りを通して、日本の伝統に親しみ、季節感を味わう」
ひな祭りは女の子の節句ですが、男の子も一緒に楽しめるような内容にしていくことがポイントです。
※ひなまつり行事に関する記事もご紹介します。
卒園式のねらい
「仲間とともに成長してきた喜びを実感する。保護者や保育士など、多くの人に支えられてきたことに感謝の気持ちを持つ」
在園児にとっては「卒園児に感謝の気持ちを伝える」というねらいがあります。卒園式という大きな節目を体験し、卒園児、在園児ともに、成長を実感することを大きな目標にするとよいでしょう。
※卒園式に関する記事もご紹介します。
保育園でよく行うイベント
保育園では、年間行事以外にもよく行うイベントがあります。そのねらい、ポイントについても紹介します。
お誕生日会
ねらい
「成長することへの期待や喜びを感じる。友達と祝い合うことで喜びを分かち合い、友達への思いやりの気持ちに繋げる」
お誕生日会は、誕生月を迎えた子どもにとっては、1年に1回の晴れがましい特別な機会。せっかくのお誕生日会なので、子どもの記憶に残るような、楽しいイベントにしてあげましょう。
※誕生日会に関する記事もご紹介します。
・保育園でのお誕生日会を、忘れられない記念日に!イベントのコツやアイデア、盛り上げ方
遠足
ねらい
遠足のねらいとして「園外で過ごす経験を通して、園での生活とは違った自然との触れ合い、公共のマナーを守るという経験をすること」があげられます。更に、その内容によって、ねらいが少し異なってきます。
春遠足のねらい:
「遠足を通して、子どもとの信頼関係を築く」
親子遠足のねらい:
「親子の触れ合いを深め、保護者同志の親睦をはかる」
お別れ遠足のねらい:
「一緒に過ごしてきた友だちや保育士と楽しい思い出をつくる」
まとめ
行事担当になると忙しく、こなすだけで精一杯になってしまいます。しかしながら、一度は行事のねらいに立ちかえって、「子どもにこんな経験をさせてあげたい」という思いを行事に反映させてみることをおすすめします。
ライタープロフィール
玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。
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