保育士辞めたい理由第一位「人間関係」 対処法と面接対策を紹介!

保育士の離職理由第1位の「人間関係」。その実態と対処法、辞めた場合の面接対策などについて紹介します。

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「人間関係」は保育士の離職理由の第1位!

「保育士を辞めたい」と一度でも思ったことのある方は、多いのではないでしょうか。その理由は色々あるかと思います。
一般に保育士の「辞めた理由」のトップに上がるのは、「職場の人間関係」です。

「人間関係」で職場を辞めた理由は4割ほど

「平成30年度東京都保育士実態調査」によると、以下のような順になっています。

保育士が職場を辞めた理由(現在保育士就業中):
1位 職場の人間関係 38.0 %
2位 仕事量が多い27.7%
3位 給料が安い27.4%
4位 労働時間が長い 25.3%

引用:平成30年度東京都保育士実態調査報告書(東京都福祉保健局)

保育士が辞めた理由は、人間関係、仕事量、給料、労働時間の順番です。中でも4割近いのが「職場の人間関係」。多くの保育士が人間関係に悩み、離職していくのだと言えます。

保育士の人間関係の悩み「あるある」を紹介!

保育士の「職場の人間関係」というと、どのようなものがあるでしょうか。職員同士、園長・上司、保護者との関係などが考えられます。
それぞれについて、よくある事例を紹介します。

職員同士の人間関係「あるある」

職員に対しての言動がきつい

保育士は子ども、保護者に全力で配慮をするので、職員間では配慮がなくなりがちです。仕事量が多くなり、気持ちに余裕がなくなってくると、同僚に対して言葉遣いがきつくなったり、感情的になることが多くなる傾向があります。

派閥がある

職場の「派閥」の存在についてもよく聞かれます。仲が良い人だけでグループをつくり、それが派閥に発展し、それ以外の人を無視・排除する、さらにひどくなると嫌がらせをしてくるようになります。

先輩から新人への指導がきつい

新人保育士の場合、先輩からの指導が厳しくて悩んでいる方は多いようです。先輩に対して怖いという感情を持つ新人も少なくありません。

園長や上司者との人間関係「あるある」

コミュニケーションが取りにくい

「園長・上司とうまくコミュニケーションが取れない」そんな悩みを抱えている保育士は多いようです。「指示する内容がコロコロ変わる」「その時の気分次第で怒り出す」などの声も多く、園長や上司の性格によるケースもありそうです。

パワハラを繰り返す

例えば、ある調査では、「クラッシャー上司」(執拗な叱責などで部下を追い込む上司)が園にいると答えた保育士は、なんと8割を超えていました。
そのような管理職の中には、与えられた役職を権力と勘違いして、部下にパワハラを繰り返していることも多いようです。

保護者との人間関係「あるある」

理不尽な要求、クレームが多い

モンスターペアレントという言葉が一時期話題になりましたが、理不尽な要求をしてくる保護者もいるようです。

信頼関係が築けない

「保護者とコミュニケーションがうまく取れず信頼関係が築けない」という悩みは、多くの保育士が抱えています。保護者と話をする時間が十分取れず、すれ違いが続くということはよくあります。

人間関係で辞めたいと思ったときの改善案

人間関係で悩み、ストレスを感じた場合の対処法について紹介します。

職員同士が「違い」を受け入れる。

職員同士の人間関係については、「互いの価値観を共有し、認め合うこと」がポイントです。難しいことではありますが、そのためには「この人はこういう人」という決めつけ、先入観を排することです。互いの違いを受け入れて、いっそ面白がれるような風土をつくっていくことが大切です。

相談し合える空気をつくる。

人間関係の悪化した職場は、放っておくと陰口や文句が蔓延していきます。そうならないためには、意見したいことがある場合に陰口や文句を言うのではなく、要望を気軽に伝えあう文化をつくることです。

相手に対して意見がある場合「聞いてほしいことがある」という相談の姿勢で話し合うことが必要です。保育士同士が相談し合える職場には、人間関係の不協和音は発生しにくいものです。

保護者との信頼関係を築く

保護者との信頼関係を築くためには、やはりコミュニケーションを多くとっていくしかありません。例えば、子どものエピソードをたくさん伝えて、保護者が心を許して話せるような空気を日々つくっていきましょう。

転職する

努力を重ねたにも関わらず人間関係の悩みが改善しない場合、保育の仕事そのものに意欲が失われていくこともあります。そうすると、保育する子どもにも悪影響を及ぼしかねません。
心身が病んでしまわないうちに、思い切って職場を変えることも一つの選択です。

人間関係を理由に転職する際の「志望動機の伝え方」

前向きな理由に変えて伝える

転職先での面接時には、志望動機の伝え方を気を付ける必要があります。人間関係が転職理由の場合、面接の際の答え方によってマイナスな印象を与えてしまうことがあるためです。人間関係が原因の退職であっても、個人の問題にせず「園全体の方針が合わなかった」という表現をする、「自分の希望する保育を実現したい」などの前向きな理由にするなどしましょう。

前向きな理由を例文で紹介

園全体の方針と合わなかったことを強調

園長とそりが合わなかった場合には、園全体の方針と合わなかったことを強調すると良いでしょう。

例文:
「以前の保育園では、担当が責任を持ってクラスを見るという意識が強く、その点では責任感が身に付いたと思っています。ただ、それぞれの個性を活かしてチームで保育をする方が、結果として子どもたちにもよいのではと考えるようになり、転職を決意しました」

人間関係には触れず、希望する保育を強調

人間関係には触れずに、希望する保育を強調する方法です。

例文:
「以前の保育園での保育は、私の希望していた保育と異なっていました。私の理想は貴園のような小規模園です。貴園のように一人ひとりと深く関わるような保育を実践したいと考え、退職いたしました」

まとめ

退職理由のトップに「人間関係」が来るほど、人間関係の悩みが発生しやすいのが保育業界です。保育士の人間関係の悩みは、すぐに解決しないものが多く、少しずつコミュニケーションを改善していくことが求められます。ただし時間をかけても解決しない時などは、転職も一つの選択肢といえるでしょう。

ライタープロフィール

玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。

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