保育園の年間指導計画の書き方、注意点を紹介!
- 保育士お役立ち情報
- 2023/01/25
年に一度作成する年間指導計画について、注意点と書き方を紹介します。
保育園の年間指導計画とは
毎年3〜4月頃作成する年間計画
園によっては「年カリ」と呼ばれることも多い年間指導計画は、毎年3〜4月頃に作成する計画のことです。前年度の子どもたちの様子を把握して、これからの1年どのように成長していってほしいかを考え、年間の計画を立てていきます。
年間指導計画の内容について
年間指導計画の内容は、園によって表現などが異なります。ただ、共通して以下のようなものが一般的です。
年間目標(保育目標)
生活面や遊び面での1年間の目標です。1年後に成長していてほしい子どもたちの姿を想定して記入していきます。
※以下内容以降は、1期(4〜5月)、2期(6〜8月)、3期(9〜12月)、4期(1〜3月)と4期に分けて記入していきます。
ねらい
0〜5歳児それぞれの年齢・発達段階を意識したねらいを記入します。4期ごとに記入し、2期(6〜8月)は夏の時期なので「夏の暑さに負けず健康に過ごす」など、季節を反映した内容も入ってきます。
子どもの様子(園児の姿)
子ども一人ひとりの姿を丁寧に観察・把握して、想定される子どもの様子を記入します。例えば1期(4〜5月)であれば「新しい環境に戸惑いつつも、興味のある遊びを見つけて遊ぶ姿が見られる」などが考えられます。
環境構成
保育士による環境設定の内容を記入します。「こまめに健康管理を行い、過ごしやすい環境を設定する」など環境に関しての具体的な記述となります。
保育者の援助
保育士が配慮すべき事項です。「安定した気持ちで日々を過ごすことができるよう配慮する」「十分に気持ちを受け止める」など、子どもたちの気持ちに沿ったアプローチについて記入します。また、食事や排泄、衣類の着脱などの生活面においてのサポートについても記入します。
行事
園で行う行事の名称を記入します。
子育て支援
家庭への支援として行う内容についてです。保護者との信頼関係をどう構築していくのか、具体的に記入していきましょう。例えば「保護者の気持ちを受けとめ、子育てについて相談し合えるような関係を築いていく」などが考えられます。
家庭だけでなく、地域に対しての子育て支援について記入することもあります。
年間指導計画を作成する際のポイント・注意点は?
年間指導計画は、年に一度しか書かないものなので、いざ書こうとすると書き方を忘れてしまっていたり、書きながら悩んでしまうなんてことがあるかもしれませんね。
私も新人時代に担任を任された時は、記入に頭を悩ませました。自分に経験がないので、子どもたちの成長を見通しを持って書いていくなどはとてもできなかったのです。
実際にそうした方も多いのではないでしょうか。
以下で、年間指導計画をスムーズに作成していくためのポイント、注意点を紹介します。
過去のものを参照する
年間指導計画を書く際に、まずするべきことは過去のものを読むことです。新設の保育園でない限り、前年、それ以前の過去の年間指導計画は保存されています。そこに使われていた表現や記入の仕方は参考になります。それらを参照したうえで自分の言葉で記入していくのが基本です。丸写しにするようなことは控えましょう。
自信のない方は、同僚や主任、園長に相談しながら作成していきましょう。その際、すべて独断で記入してから相談するよりも、途中経過を見せながらの方がスムーズです。
子どもの状態を把握する
年間指導計画は一般的な内容ではなく、自分のクラスの子どもたちのための計画であることを忘れないようにしましょう。そのため、クラスの子どもの様子を把握することは必須です。
例えば、担任を引き継いだ場合は、前担任に質問するなども必要かもしれません。子どもたちの今の様子を把握し、どのように伸びていってほしいか、そのためにどうするのか、それを記入するのが年間指導計画の基本です。
月案、週案、日案に繋げる
保育士の日常としては、月案、週案、日案の方が年間指導計画よりも身近なものです。ただ、年間指導計画で立てた計画は、必ず月案、週案、日案に反映させていきましょう。
保育所保育指針では、年間指導計画について以下のように記述されています。
「保育所は、全体的な計画に基づき、具体的な保育が適切に展開されるよう、子どもの生活や発達を見通した長期的な指導計画と、それに関連しながら、より具体的な子どもの日々の生活に即した短期的な指導計画を作成しなければならない。」
ここでいう「長期的な指導計画」とは年間指導計画のことを指します。つまり、年間指導計画と「短期的な指導計画」である月案、週案、日案は必ずセットになっています。それらをつなげて保育を展開していくことは必須であることを知っておきましょう。
まとめ
年間指導計画は、年に一回しか作成しないため、記入に苦労することもあります。そんな時は子どもたちの顔を思い浮かべながら、成長の姿を想像して作成してみましょう。具体的なイメージがあることで、きっと良い計画ができると思います。
また、年間指導計画は一度作成してしまうと、あまり顧みないことが多いようです。ただし、年度途中に振り返ることで様々な気付きもあります。業務の合間に、見直してみるとよいかもしれません。
ライタープロフィール
玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。
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