1年目の保育士が退職するときの注意点!辞めた後はどうする?
- 保育士お役立ち情報
- 2022/12/19
保育士になって1年目の皆さんは、保育士になる夢が叶い、かわいい子ども達と楽しい毎日を過ごしていることと思います。しかし楽しいことばかりではなく、覚えなければならないことや慣れない仕事に追われて大変な思いをしている人も多いでしょう。先輩保育士や保護者との人間関係に苦しんでいる人もいるかもしれません。毎日が辛く、保育の仕事が自分には合わないのではないかと考え、退職しようと思っている人もいるでしょう。
この記事では、1年目の保育士が退職する際の注意点や辞めたあとのことなどについて解説します。退職を決意した人も、退職すべきか悩んでいる人も、今後のプラスにしてもらえたらと思います。
関連記事:保育士を辞めたい主な理由の1位は?
1年目の保育士が退職したいと思ったとき
退職するかどうか迷っている人は、まず身近な信頼できる人に相談してみることをおすすめします。迷っている心の決心がついたり、悩んでいることの解決につながり、前に進むことができるかもしれません。仕事を辞めるということは大きなことですので、後悔しないようにしっかりと考えて決断してください。しかし「頑張らなければ」との思いで無理をして、心や体の不調にならないようにだけ気を付けてほしいと思います。
退職を決意した人は、上司への伝え方、退職する時期などにも配慮が必要です。配慮を怠ったがゆえに、園に迷惑を掛けてしまったり、転職活動の際に悪い印象を持たれてなかなか仕事が決まらなかったりすることがないようにしましょう。保育士を退職しようとしたときの注意点などは、関連記事「保育士円満退職!辞めるタイミングの見極め方・注意点は?」で紹介していますので、参考にしてください。
1年目の保育士が退職を決心したら
退職を決意した場合の注意点について解説します。上記の関連記事と併せてよく読んでください。
縁があってお世話になった園を退職する際には、園にできるだけ迷惑を掛けることなく、お互い気持ちよくお別れできるよう円満退職をしましょう。たとえ園に不満があったとしてもストレートに伝えるのではなく、できるだけ前向きな言葉で伝えることが大切です。しかし、嘘の理由で退職することは避けましょう。
退職が決まったら業務の引継ぎをしっかりと行い、最後は心を込めて挨拶をすることで、気持ちを切り替えて次に進むことができるでしょう。
退職をする時期は、年度末がベストです。年度途中で退職をすると園だけではなく子ども達や保護者にも迷惑を掛けてしまいます。また、別の園に転職をする際にもよくない印象を与えてしまいます。しかし、心身共に限界で年度末まで仕事を続けることが無理だと思ったら、自分自身の心や体を1番に考えて無理だけはしないようにしてください。
年度末で退職する場合も年度途中で退職する場合も、できるだけ早めに退職の意思を伝えるようにしましょう。
1年目の保育士が退職した後のキャリアプラン
1年目の保育士は、退職後のキャリアプランについてしっかりと考え、準備をしなければなりません。退職後にどのような人生を選択するかは人それぞれですが、考えられるパターンは、大きく分けて『別の園に転職をして、保育士を続ける』『保育とは異なる異業種に転職する』の2つがあります。
考え方はいろいろあるため、「せっかく保育士の資格を取ったので1つの園に1年勤めただけでキャリアを終わらせてしまうのはもったいない」と思う人もいれば、「保育士として働いてみたけど思い描いたものとは全く違い、自分には向いていないことがわかってすっぱりあきらめる」という人もいます。保育士に向いていないと思った人が別の園に転職したら楽しさに気付いて長く続けられたという場合もあれば、1度保育の現場からは離れたけど何年か後に保育士に復職した人もいます。
いろいろなパターンがあるため、この先の自分のキャリアプランに悩んでしまう人も多いでしょう。しかし、保育士として経験が浅く、若い時期だからこそ「自分の本当のやりたいことは何か?」「自分には何が向いているのか?」ということを改めて考えるのには最適な時期とも言えます。そして、人生は何度でもやり直しはでき、やってみなければわからないこともあります。いろいろなパターンがあるからこそ、前向きな気持ちでじっくりと考えて結論を出してください。
1年目の保育士の退職後@ 別の園に転職して保育士を続ける
近年は保育士不足が社会問題となっていて、保育士の求人は数多く出ています。保育士不足の一因には待機児童問題がありますが、最近は待機児童問題も徐々に落ち着いてきています。そのため中途採用における採用基準が上がってきており、保育士経験が1年に満たない人は転職がやや難しくなってきています。したがって年度途中で退職してしまうと転職には不利になってしまうので、転職を考えた場合にも3月まで1年間勤務することが望ましいです。
また、園を選ばなければ転職先はすぐに見つかるかもしれませんが、転職先を安易に決めてしまうと、働いてみたら残業が多かったり労働条件が厳しかったりして再び退職に追い込まれてしまう可能性があります。そのため、できれば前の園に在職中から転職活動を始めて、じっくりと選ぶことが望ましいでしょう。
転職エージェントに相談する
最初に勤務した園ではそれぞれの事情で退職することになったので、2カ所目の園ではできるだけ長く楽しく働くことができるよう、転職先は慎重に選びましょう。そのためには、保育士専門の転職エージェントや転職サイトに相談すると安心です。自分1人では知ることができない詳しい情報が得ることができたりアドバイスをもらえたりすることもあるため、とても心強いです。
実際に園を見てみる
転職したい、面接を受けたいと思う園が見つかったら、実際に足を運んで自分の目で見てみることが大切です。面接を受けることになれば園の様子を見ることができますが、可能であればその前に園の前まで行き、外側から保育の様子を見たり保育士や子ども達の声を聞いてみたり、遅くまで残業をしていないかなどをリサーチしてみると、面接だけではわからない部分を知る機会にもなるでしょう。
退職の理由の伝え方が大切
全く経験がない新卒の保育士を雇うよりも、1年の経験がある人を雇う場合は即戦力として期待してもらえる可能性があります。しかし、面接の際には必ず前の園を退職した理由を聞かれるでしょう。せっかく雇ってもすぐに辞めるのではないかと思われないよう、前の園を悪く言ったり、「辛かった」「大変だった」など愚痴っぽい表現になったりすることを避け、退職の理由はポジティブに伝える工夫をすることが大切です。
退職理由を伝えるときは、嘘はよくありませんが正直に言い過ぎないように心掛けることと、言い方に気を付けることがポイントです。その際、前の園と面接を受ける園を比較すると答えやすくなります。たとえば人間関係がうまくいかずに退職した人が前の園よりも規模が小さい園に転職しようとしたら、「以前勤務していた園では職員や園児数が多く、一人ひとりとコミュニケーションを取って向き合うことが難しかったので、チームワークを大切に保育しているこちらの園で働かせていただきたいと思いました」などと答えるとよいでしょう。
自己アピールをする
勤務経験がない学生に比べ、実際に1年働いた経験は大きいものです。その経験の中で、自分に自信があることをしっかりとアピールすることも大切です。「ピアノが得意で、発表会でクラスの合奏の伴奏を担当しました」「身体を動かすことが好きで、毎日子ども達とサッカーや鬼ごっこをしてたくさん遊びました」「手遊びのレパートリーが多く、子ども達を楽しませる自信があります」など、前の園での経験を踏まえて自己アピールしましょう。同時に、「こちらの園で働きたい」という強い気持ちや意欲も、言葉や態度で伝えましょう。
1年目の保育士の退職後A 異業種に転職する
異業種に転職する場合、「保育士のキャリアを活かせる別の職種」と「保育とは関わりのない職種」の2パターンがあります。
保育士のキャリアを活かせる別の職種
同じ子どもと接する仕事でも、幼稚園教諭の資格があるなら幼稚園に勤める、子育て支援センターで働く、幼児対象の体育教室や英会話教室の講師になる、養護施設や学童保育の指導員になる、ピアノが得意ならピアノ教室の講師になるなどいろいろな選択肢があります。1年間保育士として働いた経験は、大きな役に立つはずです。
また、子ども服やおもちゃなど乳幼児や親子が対象の店のスタッフとして働くことで、大好きな子ども達と違った形で関わることができます。保育士として子どもとかかわった経験は、販売の場面の対応でも十分に活かせるでしょう。直接子どもに関わる機会はありませんが、保育園や幼稚園向けの教材を扱う会社で働くのも、保育園で1年間働いた知識や事務仕事のスキルを活かせる場合があります。
保育とは関わりのない職種
保育士以外にやってみたい仕事があるなら、チャレンジする絶好のチャンスです。資格が必要なら、アルバイトなどをしながら資格取得を目指すのもよいですね。
一般の事務職やサービス業の場合は、保育士で培った事務仕事の経験やコミュニケーション能力を発揮して活躍できるでしょう。また、同じ福祉分野の介護施設では、利用者の方とのコミュニケーションやレクリエーションの司会などで保育士の経験は役に立ちます。
1年目の保育士の退職後B ひとまず休んで体調を整える
心身の不調で退職を選んだ人は、まずはゆっくり休んで体調を整えることが先決です。生活があるので、いつまでも働かないわけにはいかないという人もいますが、無理して新しい環境に飛び込んでさらに体調を崩してしまうことがないよう、可能であればしっかりと休みながら今後についてゆっくりと考えましょう。
まとめ
1年目の保育士の退職に際してのポイントや、退職後の注意点などを解説しました。結婚退職など環境が変わることによる前向きな理由がないとマイナスな気持ちになってしまいがちですが、自分の可能性や明るい未来を思い描きましょう。そして退職することをネガティブに捉えずに、ぜひ前向きな気持ちで進んでいけることを願っています。
ライタープロフィール
西須 洋文さん
30年以上、保育士として保育園やこども園に勤務。現在はWebライター、リトミックや親子遊びの講師などとして活動中。
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