1年目の保育士が辞めたい6つの理由!対処法も解説
- 保育士お役立ち情報
- 2022/12/19
保育士1年目の皆さんは夢と希望をもって保育士の仕事に就き、4月から無我夢中で毎日を過ごしてきたのではないでしょうか。そろそろ仕事にも慣れ、少しずつ自信が付いてきたという人も多いことでしょう。しかし中には、仕事になかなか慣れず大変な思いをしている人や、保育に対する自信が持てず苦しんでいる人もいると思います。
保育士の1年目は、一般企業に就職した1年目の人よりも覚えなくてはならないことが多いと言われています。そのため、保育士を1年で辞めたいと思う人はたくさんいます。この記事を読んでいる人の中にも、2年目以降保育士を続けるかどうか悩んでいる人もいるかもしれませんね。保育士1年目で辞めたいと考える人は、あなただけではありません。
この記事では、1年目の保育士が辞めたいと思う理由や、退職や転職を迷ったときにするべきことについて解説します。
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1年目の保育士が辞めたい理由
1年目の保育士が仕事を辞めたいと思うときは、主に6つの理由があります。1つずつ解説します。
辞めたい理由@ 覚えることが多く、責任が重い
前述したように、保育士の仕事は覚えることがたくさんあります。 保育士の仕事は多岐にわたり、日々行う全ての業務を覚える必要があります。そして当然ですが、園児や保護者の顔と名前を覚えなくてはなりません。その他にも行事の内容や運営について、書類の種類や書き方、掃除や消毒の仕方、用具が片付けてある場所など、覚えなくてはならないことが山積みです。
規模が大きい園であれば職員数も多く、最初は補助的な役割が与えられ、少しずつ覚えられるかもしれませんが、小規模な園では初めからクラス担任や様々な業務の担当を任せられるという場合もあります。たくさんの業務の中、子どもの命を預かっているので事故が起きないよう細心の注意を払う必要があり、1年目の保育士にとってはかなりのプレッシャーやストレスになり、辞めたいと思う人が多くいます。
辞めたい理由A 仕事の量が多い
保育士の仕事は覚えることが多いだけではなく、仕事の量もかなり多いです。1日のほとんどは子ども達の保育に当たりながら、連絡帳の記入や掃除、書類作成などの事務作業に制作や展示、翌日の準備など毎日やるべき仕事は限りなくあります。1年目なので効率のよい仕事の進め方がわからないため勤務時間内に終わらず、先輩の保育士よりも残業や仕事を持ち帰ることが多くなりがちです。さらに子ども達と身体を使って遊んで体力も使うため、いくら若くても毎日仕事が終わるとぐったりという人も多いでしょう。
大きな行事がある場合は事前の準備に追われ、行事は土日に行われることもありますが、その代休がすぐに取れない場合もあります。また、有休が取りにくく、1年目は仕事に慣れていないこともあり、忙しさで体調を崩しやすいのも1年目の保育士によくあることです。
辞めたい理由B 理想の保育ができず、向いていないと悩む
保育士になることを目指していたときは、「こんな保育士になりたい」「こんな保育をしてみたい」という夢や希望を抱いていたことでしょう。しかし、ほとんどの人が実際に保育士になってみると思っていたような保育ができず、理想と現実のギャップに苦しみます。自分の思い描いていた理想の保育と、園の方針が合わないという場合もあります。子ども達はベテランの保育士の言うことは聞くのに、自分の話は聞いてくれないと感じることもあるでしょう。
誰でも通る道ですが、先輩の姿を見て落ち込んだり、「自分には向いていないかもしれない」と悩んだりする人は多くいます。
辞めたい理由C 先輩保育士が厳しい
保育士は大切な子どもの命を預かる仕事なので、先輩保育士から厳しく指導されることもあります。先輩は厳しいつもりではなく、しっかり成長してほしいという気持ちで指導しているのに、1年目の保育士からすると厳しく感じてしまうこともあるでしょう。先輩保育士も毎日の業務で忙しく余裕がないため、きつく当たってしまう場合もあるかもしれません。
小規模の園では1年目は自分1人で相談できる同期がいないということもあり、職員の人数が少ない園で人間関係がうまくいかないと、かえって職場の中に逃げ場がなく辛い状況になります。ほとんどの園は女性が多い職場なので、同性同士の関係がうまくいかないと陰湿な雰囲気になり、居づらい状況にもなりやすいものです。女性の環境に数少ない男性の場合は、居場所が見つからず辛いということもあります。
辞めたい理由D 保護者対応が大変
保護者の中には、1年目の若い保育士を温かい目で見てくれる人もいますが、大事な子どもを預けるのに新人では不安に感じるため厳しい目で見てしまう人もいます。ベテランの保育士には何も言ってこないのに1年目の保育士にはやたら厳しくクレームを言ってくることもあり、保育に自信が持てないときに厳しいことを言われると、くじけそうになってしまうでしょう。
辞めたい理由E 給料が安い
保育士は覚えることも仕事量も他の仕事に比べて多いのにもかかわらず、決して高い給料をもらえる仕事ではありません。いくら忙しく大変な仕事でも、給料をたくさんもらえればモチベーションを保って働けることもありますが、忙しいのに給料が低ければ、モチベーションが下がってしまうのは無理もないことです。
1年目の保育士が辞めたいと思ったとき、どうしたらよいのか
1年目の保育士が辞めたいと考える6つの理由について解説しました。これらはどれも、先輩保育士がみんな1度は悩んだことがあるものばかりです。最初は辛くても乗り越えることで克服し、保育士の仕事を楽しく感じられるようになったという人はたくさんいます。しかし、自分も乗り越えようと無理をして、心や体を壊してしまっては困ります。どうしても無理であれば退職するという決断をすることも必要であり、決して悪いことではありません。
まだ経験が浅い1年目の保育士にとっては、「退職する」という経験も初めての人がほとんどでしょう。仕事を続けるか辞めるかという結論を出すことは簡単ではありません。勢いに任せて退職したけど、「辞めた後何をしてよいのかわからない」「辞めたことを後悔している」というような事態を避けるためにも、結論を出すのは慎重にしましょう。
誰かに相談する
保育士を辞めたいと思ったら、1人で抱え込まずに友だちや親、きょうだい、先輩、同僚など身近で信頼できる人に相談しましょう。話を聞いてもらうだけで気持ちが軽くなり、また頑張ろうと思えることもあります。先輩や同僚など同じ園の人に相談するときは、できるだけ誰かの悪口や愚痴になることを避け、辛い気持ちを聞いてもらったり、解決のヒントを教えてもらったりするように意識することが大切です。
また、家族や先輩などに転職を経験したことがある人がいれば、その体験を聞かせてもらうのもよいでしょう。
気持ちを切り替える
「気持ちを切り替える」と口で言うのは簡単ですが、なかなか簡単にできることではありません。しかし、「理想の保育ができない」「仕事が大変」というような悩みを抱えている人は、「できなくて当たり前」だと考えることで気持ちが楽になります。誰でも新人のときは理想の保育も仕事もできず、苦労をするものです。失敗や苦労を重ねることで力が付き、成長します。そして大抵の失敗は取り返しがつき、次に挽回ができるはずです。あまり悩み過ぎずに、失敗を繰り返さなかったときや苦手なことを克服できたときに自分を褒めて前向きな気もちになれれば、状況は変わっていくはずです。
しっかり休む
持ち帰ってやらなければならない仕事があったり、休みの日も仕事のことが頭から離れなくて休んだ気がしなかったりする1年目の保育士はたくさんいます。しかし、それでは心身ともに疲労が取れず、休み明けの仕事が辛くなるばかりです。休みの日やプライベートの時間は、仕事を忘れて思い切り楽しみましょう。何か楽しみな予定があれば仕事を乗り切ることができたり、その日までに仕事を終わらせようと段取りよく取り組んだりすることができるものです。プライベートを楽しむことで気持ちがリフレッシュでき、仕事にもよい影響が出るでしょう。
まとめ
1年目の保育士が辞めたいと思う理由や、辞めたいと思ったときにどうしたらよいのかについて解説しました。誰かに相談したり、気持ちを切り替えたり、プライベートを充実させることで悩みが解決でき、また仕事に前向きに取り組めるようになれれば素晴らしいことです。しかし、それでも無理だと思ったときは、退職するという決断をすることは悪いことではありません。何よりも大切なのは、あなた自身の心身の健康です。無理をして仕事を頑張りすぎて限界を迎えることだけは避けましょう。
保育士の仕事は、今の園だけでしかできないわけではありません。転職する方法もあり、転職をすることで環境が変わり楽しく保育や仕事に取り組めるようになったという人は大勢います。今の辛い状況が改善されて、毎日を笑顔で過ごせるよう心から願っています。
ライタープロフィール
西須 洋文さん
30年以上、保育士として保育園やこども園に勤務。現在はWebライター、リトミックや親子遊びの講師などとして活動中。
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