5年目の保育士が辞めたい7つの理由!対処法も解説

保育士として5年目を迎えた皆さんは、園の中堅保育士として存在感を増しているのではないでしょうか。上司からの期待や求められることも増え、後輩からは頼りにされ、大変な中にもやりがいを感じる毎日を過ごしていることと思います。しかし、その分大きなプレッシャーを感じることも多く、仕事の大変さを実感することも多いでしょう。
この記事では、5年目の保育士が転職や退職を考える理由や、迷ったときの対処法などについて解説します。
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5年目の保育士が辞めたい理由

保育士になってからの4年間で、たくさんの失敗を経験したことと思います。しかし、それ以上に楽しいことがたくさんあり、達成感や満足感を得る機会も多かったのではないでしょうか。保育士になってから毎日走り続けてきて、ふと周りを見渡したときに悩みや疑問が沸き起こり、「辞めたい」とか「辞めようかな」という思いがよぎることがあるかもしれません。
5年目の保育士はどのような理由で辞めたいと思うのか、主な理由を7つ紹介します。

辞めたい理由@ 人間関係のストレス

人間関係の悩みは保育年数にかかわらず、どの年代でも悩みや辞めたい理由の上位に上がります。逆に言えば、仕事は大変でも人間関係がうまくいっていれば頑張れるという人はたくさんいます。
5年目の保育士であれば、「上司や先輩」「同僚・同期「後輩」「保護者」など、さまざまな立場の人達との関わりが増えてきます。人間関係の悩みを、「上司や先輩」「同僚・同期「後輩」「保護者」の4つに分けて考えてみましょう。

上司や先輩との人間関係

信頼できる上司や尊敬できる先輩に恵まれていると、仕事のモチベーションが上がり、前向きに取り組むことができます。しかし、尊敬の対象となるべき上司や先輩が、言うこととやっていることがめちゃくちゃだったり、自分さえよければよいという考えだったり、軽蔑するべき行動や言動をしていれば、希望を持つことはできません。
中には失敗をしたときに厳しく責めるような上司がいたり、上司や先輩との考え方が合わなかったりして、毎日辛い思いをしている人もいます。上司や先輩とそりが合わず何かと目をつけられていろいろと言われてしまうという場合もあります。

同僚・同期との人間関係

職場の中で最も心を許し、なんでも相談し合える相手というと、同期や、年代も立場も近い同僚でしょう。しかし、近い立場である同僚や同期と気が合わず、悩みが話せず、足を引っ張られるというような状況になると仕事は辛いものです。よい意味でのライバル心をもってモチベーションにつなげられるとよいですが、同期だからこそひがんだり妬んだりしてしまう場合もあるでしょう。

後輩との人間関係

5年目になればクラスリーダーや専門リーダーなどを任され、後輩の指導をする機会もたくさんあります。しかし、人を指導するということは簡単なことではありません。後輩のためを思って言ったことを誤解されたり、うまく伝わらなかったりすることもあるでしょう。言うことを素直に聞き、理解してくれる後輩ならよいですが、中には言うことを全く聞いて貰えず反発されるということもあります。
後輩の指導は言い方やタイミングが難しく、保育は楽しいけど後輩の指導が苦手で仕事が大変になったという人もいます。

保護者との人間関係

保育士は、一緒に働く人たちのほかに、子ども達、保護者との関係も必ずついてきます。保護者にはいろいろなタイプの人がいるため、笑顔で接してくれる人もいれば、愛想がなく冷たい態度を取られることもあるでしょう。多くの保護者はよく理解してくれますが、ちょっとしたことでクレームを言ってくるような保護者もいます。新人の頃は先輩に任せておけばよかった保護者対応も率先して行わなければならず、負担に感じる人は多いでしょう。

辞めたい理由A 責任が増えても給料が上がらない

国や市町村からの補助金と保護者からの保育料で運営している保育園は、元々給料が上がりにくい仕組みになっています。
多くの保育士は給料よりも、子どもを好きな気持ちや仕事のやりがいなどを理由に職業を選んだ人が多いと思います。しかし、夢と理想を追い求めて保育士になったけど、現実問題として給料が安いことは思っていた以上に大変だったり、5年目になるのに思うように昇給せず1年目の頃と給料の額がほとんど変わらなかったりすれば、辞めたいと思うのは当然のことでしょう。
経験を重ね、責任のある仕事を任されることが増え、心身共に負担が増しているのに仕事に見合った給料がもらえなければ、モチベーションは下がってしまいます。また、20代半ばを迎え、結婚など将来を考えたり、他業種の友だちの生活と比べたりして、退職を考え始める人も多くいます。

辞めたい理由B 結婚・出産など人生の転機が訪れた

大学や専門学校、短大を卒業して保育士になった人達は、20代後半を迎え結婚や出産などの人生の転機を迎える人が多くなる年代です。まだまだ仕事第一で頑張りたいという人ももちろんいますが、結婚を考えたり故郷を離れて働いてきたけど実家に戻りたいと思ったり、さまざまな転機を迎えることで退職を考える人が多くいます。

辞めたい理由C 責任が増えプレッシャーが大変

中堅と呼ばれる年代に差し掛かってきた5年目の保育士は、園の中のさまざまな業務の担当を任されることも増えます。クラスの中でも1番上の立場として職員をまとめなくてはならず、行事運営を中心となって進めることも増えます。クラス担任以外の業務の担当を命じられることもあり、仕事量が増加するだけではなく責任のある仕事を任せられ、プレッシャーを感じるようになります。

辞めたい理由D 長時間労働が大変

保育士の仕事量は多く、勤務時間内に仕事が終わらないことはよくあります。日中はクラスに入って保育をし、子ども達が降園した後や延長保育の時間に事務仕事や翌日の準備、行事に向けての作業や環境整備、保護者対応などやるべき仕事は山積みです。勤務時間内に終わらず残業したり、家に持ち帰ったりしてやることもあるでしょう。
いくら若くっても、友達や恋人と遊ぶ時間も限られ、家に帰ってまで仕事をして寝不足の日々が続けば、心身ともに疲れ果ててしまいます。さらに、保育士は有給休暇が取りにくい職業でもあります。仕事が好きでやりがいを感じていても、毎日が仕事漬けでプライベートの時間がないのはとても辛いことです。

辞めたい理由E 園の保育方針についていけない

新人の頃はわけもわからず上司や先輩に言われたことを必死に頑張り、目の前のことをなんとかこなす毎日だったかもしれません。しかし、5年目になればいろいろなことが見えるようになり、自分なりの保育観や考え方、やり方が確立されてきます。今までは疑問に思わず言われたままやってきたことでも、ふと「これでよいのかな?」「これは間違っている」などと疑問や意見が出てくるのは当然のことです。成長の証しとも言えるでしょう。
しかし、園の方針や上司の考え方に納得できないからと言って、自分の考えを押し通すことは、組織の一員として輪を乱すことにもなります。思い切って意見や考えを延べても、否定されてしまえば非常に苦しく、ストレスは溜まる一方です。

辞めたい理由F 保育士としてのスキルアップがしたい

保育歴を重ねて自信がつき、この先の新たな目標や理想が出てきます。自信が付く半面、保育はゴールや正解がない部分も多く、理想や目標と自分自身とのギャップに苦しむこともあるでしょう。保育士としてもっとスキルアップ、ステップアップがしたいと思っても、毎日の仕事に追われて時間にも気持ちにも余裕がなく悩む人は多くいます。
また、就職して1つの園でずっと仕事をしてきたけど、他の園も見てみたい、環境や方針や規模が違う別の園で自分を試してみたい、もっと成長したいという気持ちが湧き出てくることもあるでしょう。

5年目の保育士が辞めたいと思ったとき、どうしたらよいのか

保育士を辞めたいと思っても、簡単に結論を出せずに悩んだり迷ったりしてしまう人は多くいます。悔いがない選択をするために、どうしたらよいのでしょう。

まず、1人で悩まず、家族や友達など身近な人に相談しましょう。最終的に決断するのは自分自身ですが、悩んでいることも誰かに聞いてもらうことで気持ちが軽くなり、前向きな気持ちでまた仕事を頑張れることもあります。

辞めたら園や子ども達に迷惑をかけてしまうと思い、なかなか決断できない人もたくさんいます。クラス担任をしていたら、年度途中で投げ出すようなことはできるだけ避けるべきでしょう。しかし、迷惑をかけないよう無理をして、心や体を病んでしまっては困ります。まずは自分自身を第一に考え、決断するようにしてください。

自分の中で辞めたいと思う理由を明確にして、改善できるのかできないのか、我慢できるのかできないのか、2択にして考えるのも1つの方法です。役職や職場環境などに大変なことがあったけど、園に働きかけたら改善できたという事例もあります。大変だけど保育士を続けたい気持ちがあるなら、改善できることは改善する、別の園に転職するなど、方法はたくさんあります。

もし退職の決断がつかなくても、転職活動を始める方法もあります。転職活動をしてみると、いろいろな園があることを知ることができるでしょう。その中で、保育方針をよいと思う園や、条件のよい園に出会えるかもしれません。見学をしたり面接を受けたりして、内定をもらってから退職をするかどうか決めるという選択肢もあります。その反対に、いろいろな園を見てみたけど、今いる自分の園のよさを再確認し、引き続き頑張ってみようと思えるかもしれません。

すぐに結論を出したり、簡単にあきらめたりせず、さまざまな可能性を探りながら前向きに進みましょう。

まとめ

5年目の保育士が、退職を考えたときの理由や、迷ったときのアドバイスについて解説しました。退職を迷うのは、保育士が素晴らしい仕事だという実感があるからこそではないでしょうか。あなたにとって納得のいく結論を出し、今よりもよい方向に進めることを願っています。

ライタープロフィール

西須 洋文さん
30年以上、保育士として保育園やこども園に勤務。現在はWebライター、リトミックや親子遊びの講師などとして活動中。

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