3年目の保育士が辞めたい6つの理由!対処法も解説
- 保育士お役立ち情報
- 2022/12/07
保育士3年目を迎えた皆さんは、右も左もわからず無我夢中で過ごしていた新人の頃を過ぎ、仕事にも慣れて楽しさややりがいを見出して、生き生きとした毎日を過ごしているのではないでしょうか。しかし、3年目になると新人の頃にはわからなかったことがわかったり、見えなかったことが見えるようになったり、新しい悩みが出てくる頃でもあります。退職を考え始める人もいるかもしれません。
この記事では、3年目の保育士が転職や退職を考える理由や、迷ったときにするべきことについて解説します。
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3年目の保育士が辞めたい理由
保育士に限らず「3年」という月日は1つの周期に当たり、環境や立場が変わることも多くあります。以前に比べて余裕がでてきたことで物事を冷静に見たり考えたりする力も養われ、思い悩む時期でもあるため、3年目で辞めたいと思うのはどの職業でもよくあることです。
そんな3年目の保育士が辞めたいと思うのは、どのような理由があるのでしょうか?3年目の保育士が辞めたいと思う主な理由を6つ紹介します。
辞めたい理由@ 人間関係のストレス
園の中で1番下の立場だった1年目は、わからなくてもできなくても当たり前。慣れない仕事で大変な思いをしたり、失敗して落ち込んだりしても、先輩に守ってもらえて、楽な面もあったのではないでしょうか。しかし、3年目はもう新人ではなく、後輩ができた人も多くいることと思います。
自分自身もまだ自信がない部分やわからないことがあるのに、後輩に頼られたり指導をしなければならなかったり、後輩のフォローをすることもあります。クラスでは先輩と後輩の間に挟まれながら保育をしているという人も多く、先輩にも気を遣わなくてはならず、板挟みになって苦しむこともあるでしょう。
3年目は人間関係の大変さを実感する時期でもあります。
辞めたい理由A 責任が増えても給料が上がらない
保育士の給料は園にもよりますが、一般的には他の仕事に比べて初任給がそれほど少ないわけではありません。しかし、国や市町村からの補助金が主な収入源のため、給料が上がりにくい仕組みになっています。3年目になると毎年の昇給額がわかるようになるので、思っていたほどに昇給しなければモチベーションが上がらず、将来に対する不安を感じるようにもなるでしょう。
同じ保育士の友達同士で話す分には共感し合えるでしょうが、別の職業でたくさん給料をもらっている友達が身近にいれば、ますます不安や不満に思うのは自然なことです。
特に1人暮らしをしていれば生活を切り詰めなくてはならず、苦しい思いをしている人は多くいます。
辞めたい理由B 「入社して3年は頑張れ」という言葉通り頑張ったけど…
「石の上にも三年」という言葉があるように、「3年は辞めないで頑張ろう」ということがよく言われます。その言葉通り3年頑張ってきて現状を考えたときに、4年目以降に希望が持てず、退職を考える人もいます。仕事のプレッシャー、労働時間、給料など考えづらい要素がたくさんあるためです。また、転職するなら若いうちの方がよいと考える人も多いでしょう。
辞めたい理由C 仕事の緊張感やプレッシャーに耐えられない
職員の入れ替わりが激しい園では、3年目でもクラス主任など中心になって仕事を進める立場を任される人もいます。3歳未満児のクラスであればクラスに入る保育士の人数が多く助け合えますが、3歳以上児のクラスでは保育士の人数が少なく、自分以外はパート保育士だけで書類やおたよりなどクラスの仕事のほとんどを1人でやらなければいけないという場合もあるでしょう。
保育中は子ども達に危険がないように神経をとがらせながら、行事に向けた活動や制作などやらなければならないことも多く、緊張感やプレッシャーが大きくて耐えられないと感じる人もいます。
辞めたい理由D 保護者対応が大変
保育士には保護者対応がつきものです。保護者の中にはベテランの保育士に対しては当たりがやわらかいのに、まだ若い3年目の保育士に対しては見下すような態度やきつく当たる人もいます。また、お願いしたことをなかなか守ってくれない保護者もいるため、保護者対応で神経をすり減らしてしまうことがあります。
辞めたい理由E 子どものことを考えるのに疲れた
子どもが好きだから保育士という職業を選んだ人がほとんどです。しかし、理想と現実は違い、保育士は毎日子ども達と楽しく遊んでいればよいだけの仕事ではありません。1年目は大好きな子ども達と毎日を過ごせることを幸せに感じて張り切っていたのに、いろいろなタイプの子ども達がいて、自分の思うようにはいかないことも多く、「子どもが好きだったはずなのに…」と自分の気持ちがよくわからなくなる人もいます。
また、職場の園がある地域に住んでいれば仕事帰りや休みの日に子どもや保護者と会うこともあるでしょう。プライベートの時間は仕事のことや子どものことを忘れたいと思っても、そのような環境では忘れることはなかなか難しいものです。
3年目の保育士が辞めたいと思ったとき、どうしたらよいのか
保育士を続けるか辞めるかということは、簡単に決められることではありません。自分で結論を出すことは難しいでしょう。後悔しないように選択するためにはどうしたらよいのか、解説します。
誰かに相談する
保育士の仕事を続けるべきかどうか迷ったら、まずは友だちや親、きょうだい、同僚、先輩など身近な信頼できる人に相談することをおすすめします。話を聞いてもらうだけで気持ちが軽くなり、明日からまた頑張ろうと思えることもあります。
将来の自分をイメージしてみる
5年後や10年後の将来の自分をイメージしてみましょう。現在の園でこのまま仕事を続けた場合と、仕事を辞めた場合それぞれの5年後や10年後の自分をイメージしてみたときに、どちらの自分が生き生きとして見えるでしょう。また、どちらの自分を好きだと感じますか?
もちろん想像ですので、そのイメージが現実になるとは限りません。しかし、よいイメージが持てるなら、そのイメージを目標に頑張ることはできるでしょう。
また、今は独身でも5年後や10年後は結婚して子どもがいるかもしれません。今と生活環境が変わっている自分もイメージしてみると、「今はいいけどこのままでは将来が不安」などと今まで考えていなかったことが見えてくることもあります。職場の先輩の姿を参考にして考えてみると、イメージしやすいでしょう。
給料や待遇に納得できるか
保育士は一般的に給料が低く、待遇がよくないと言われています。いくら仕事が大変でも、給料や待遇がよければモチベーションを保って頑張れることもありますが、給料や待遇は生活や将来に直結するため、納得できなければ長く続けることは難しいでしょう。
しかし、園によっては毎年しっかりと昇給してもらえている、残業手当がきちんと支払われているなど待遇面はしっかりしているという園もあります。給料や待遇面に納得できるかどうかということは、続けるか辞めるかを考える際の大きな判断材料になります。
メリットとデメリットを考える
3年目の保育士が仕事を辞めた場合のメリットとデメリットには、以下のものがあります。
メリット
・社会人として(保育士として)3年の経験と実績がある。
・保育士としての再就職がしやすい。
・新しい職種にチャレンジしやすい。
デメリット
・転職に向けて、もう1度就職活動をしなければならない。
1年あるいは数カ月で退職してしまう人もいる中、社会人としても保育士としても3年の経験と実績があれば信頼してもらいやすく、保育士として別の園に再就職しようとした場合有利になります。保育士以外の職種にチャレンジしようと思った場合でも、まだ若いのでチャレンジしやすく、社会人としての実績も活かせるでしょう。
一方で、転職に向けてはもう1度就職活動をしなければなりません。理想の職場や職種に巡り合えるとは限りません。仕事を続けながらの転職活動は負担が大きく、退職後に転職活動をする場合は収入がありません。どちらにするかはよく考えましょう。別の職種への就職活動は、さらに大変なことも多くあります。
まとめ
3年目の保育士は、仕事を続けるにしても退職をするにしても、まだリスクは少ない年代です。人間関係の悩みがあれば、3年間で培った経験や関係の積み重ねによって、適度な距離感を構築し、乗り切ることができるかもしれません。
給料が上がらないという悩みがあるなら、自分の得意分野のスキルアップや資格取得を取得することで、上司にアピールし、役職に就いたり手当をもらえたりする可能性があります。3年以上の勤務経験によって「保育士処遇改善等加算U」の対象にもなります。
仕事量が多いのであれば、3年の経験を活かして仕事の効率化を工夫することで改善できる面もあるでしょう。
まずは、現状の悩みや不満を解決する方法を考えたりやったりして、それでも改善が望めないようであれば退職や転職を考えるのもよいでしょう。3年目の保育士はまだ若いので、転職をするにも非常に有利です。まっさらな新人に比べ即戦力になるため、採用される確率は高いでしょう。
また、退職の決心がつかなくても、転職活動を始めてみることでよい園と出会えたり、自分の園のよさを再認識したりなど、それまでは気付かなかったことに気付けることもあります。
今回の記事を参考にして、皆さんが納得のいく人生を送れることを願っています。
ライタープロフィール
西須 洋文さん
30年以上、保育士として保育園やこども園に勤務。現在はWebライター、リトミックや親子遊びの講師などとして活動中。
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