お正月遊びの保育のねらいや指導案の書き方を紹介!

子ども達の大好きなクリスマスが終わるとすぐに「お正月」を迎えますが、保育園では子ども達とどのようにお正月を迎えるとよいのでしょうか。 1年の初めの大切な伝統行事であるお正月に向けた保育のねらいや指導案の書き方のポイント、活動内容などをご紹介します。 是非参考にして、新しい年を子ども達と明るく迎えてくださいね。

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お正月の由来

お正月の前に、子ども達にお正月の由来をわかりやすく伝えましょう。 お正月とは、年の初めに1年間の幸せを運んでくる“年神様”を家族みんなでお迎えし、おもてなしする行事です。年神様は健康をもたらし、子孫繁栄や五穀豊穣を授けてくれると言われている豊作の守り神です。 お正月に飾る門松やしめ縄、鏡餅などは、年神様を歓迎するために飾ります。

子ども達に向けて「お正月とは」をどう伝えれば良いかは『お正月の由来 保育園で子ども達にどう伝える?』で詳しく紹介しています。

お正月行事の指導案の書き方

お正月の活動は年を明けてからだけではなく、新年を迎える前(12月)に1年の終わりを伝えて、子ども達と一緒に準備をすることが大切です。 したがって、お正月の保育は1月だけではなく12月の指導案にも盛り込みましょう。

12月の指導案

1年の終わりと始まりについて理解できるような活動を取り入れ、1年をしっかりと締めくくり、新しい年に期待が持てるような保育内容を計画しましょう。

1月の指導案

お正月の由来を理解できるような活動を行い、伝統的なお正月遊びが体験できるよう活動を行いましょう。 年齢に応じて、お正月を通して文字に触れたり、考えたりする機会がもてるよう配慮することも大切です。

12月のお正月行事のねらい

お正月を迎える準備を整え、期待ができるような保育内容を工夫しましょう。

3歳未満児のねらい

・絵本や歌などを通して、お正月を楽しみに待つ雰囲気を味わう。
・お正月飾りを作ることで、新年を迎える準備をする。

お正月の由来を理解することがまだ難しい3歳未満児は、お正月にちなんだ絵本や歌などの親しみやすい遊びや活動を展開しましょう。

お正月に向けて年齢に応じたお正月飾りや、来年の干支をモチーフにした作品を制作し、展示することで環境が華やかになり、子ども達もワクワクした気持ちになることでしょう。

3歳以上児のねらい

・もうすぐ1年が終わり、新しい年が来ることを理解する。
・1年間の楽しかった思い出を振り返り、新年に期待を寄せる。
・餅つきや年賀状など、お正月を迎える前の準備やしきたりを知ったり体験したりする。

1年の終わりを理解する

カレンダーが最後の1枚になったことを伝えて、「もうすぐ1年が終わり、新しい年に変わる」ことが理解できるようにしましょう。

保育園の1年は4月から3月までの“年度”で区切られるので、子ども達の中には混乱する子がいるかもしれませんが、年齢が高い子ども達にはその違いも伝えられるとよいですね。

1年がもうすぐ終わることが実感できるよう、『お正月』の歌を歌いながら新年を迎えるまでの日数を数えたり、ホワイトボード等に残りの日数を書きながらカウントダウンしたりすると、子ども達は毎日残りの日数を数えることを楽しみ、同時に新年に対する期待感も高まるでしょう。数字にふれる機会にもなります。

1年を振り返る

子ども達と一緒に1年間の思い出を振り返り、楽しいことがたくさんあったことを実感し、さらに新しい年に期待できるような働きかけをしましょう。

季節ごとや月ごとに、「どんなことがあったかな?」と問いかけ、「遠足!」「プール!」「運動会!」など子ども達から挙がったものに対して、「遠足で、みんなで大型バスに乗って広い公園に行ってお弁当を食べたよね」「運動会ではどんなことやったっけ?」などと具体的に問いかけたりしながら、一つひとつ丁寧に振り返りましょう。

新しい年を迎える準備をする

新しい年を迎えるためには、いろいろな準備をすることも伝えましょう。

“餅つき”や“年賀状”など、最近ではあまりやらなくなったこと、見られなくなったものもありますが、昔から日本で行われてきたお正月の準備について話しましょう。

可能であれば、臼と杵で餅をつく様子を見せたり、年賀状を書いたり作ったりする活動をすることで、子ども達はお正月についての理解が深まり、新年を迎える実感が高まります。

新しい年を迎えるためには家の中をきれいに掃除することも大切なことです。お道具箱やロッカー、机や椅子など自分が使ったところをきれいに掃除して、すっきりとした気持ちと環境を整えましょう。

自分達の保育室をきれいにして年神様をお迎えし、たくさんの幸せを運んできてもらうという昔からの言い伝えを子ども達が理解するための導入にもなります。

1年の区切りを意識できる活動を工夫しましょう。

お正月を通して文字への興味を引き出す

少しずつ文字への興味が出てきている3歳以上児は、お正月を通して文字にふれる体験が取り入れられるとよいですね。

3歳児では、簡単なカルタ遊びを通して文字に触れる体験をすることをおすすめします。

4,5歳児は年賀状を制作したり、絵馬に自分の目標を書いたりすることで、文字に触れるとともに文章を考える体験にもなります。

クラスで来年の目標(抱負)を話し合って決めるのもよいでしょう。

1月のお正月行事のねらい

3歳未満児

・ゆったりとした雰囲気の中で、新しい年を元気に迎えられた喜びを共有する。
・保育士が福笑いやこま回しをする様子を見せるなど、お正月の伝承遊びにふれたり体験したりする。

言葉を話せない0歳児にも、明るく新年の挨拶をしたりお正月について語り掛けたりしましょう。休み明けで不安定になっている子どもの気持ちに寄り添い、お正月の温かな雰囲気を楽しみながら、徐々に新年の園生活になじみ、楽しんでいけるようにしましょう。

3歳以上児

・元気に新年の挨拶をし、お正月の楽しかった体験を話し合う。
・1年の始まりを理解し、期待感を持って生き生きと活動する。
・お正月の様々な伝承遊びを体験し、楽しむ。

お正月遊び

お正月には、“カルタ”“福笑い”“こま回し”“羽根つき”“すごろく”など、楽しいことが盛りだくさん。外遊びができる機会が少ない冬にはもってこいの室内遊びばかりです。

現代の子どもはゲームや動画などで遊ぶことが多く、家庭で楽しむことが難しいお正月遊びもあります。園でしかできない遊びもありますので、園ならではのお正月遊びをたくさん楽しめるようにしましょう。

こま回しや羽根つきは、子ども達にとっては少し難しい部分があるので、保育士が上手にやって見せたり、逆に失敗する姿を見せたりすることで、保育士と子ども達が楽しい時間や体験を共有でき、難しいことにしり込みせずやってみようとする意欲にもつながります。

カルタや福笑いを自分達で制作して楽しむことも、より遊びに対する愛着が湧き、理解も深まることでしょう。

関連記事:保育園でおすすめのお正月あそびは?【室内・外遊びのアイディアまとめ】

まとめ

お正月の保育について解説しました。紹介したように、お正月と一口に言っても盛りだくさんです。全てを取り入れることは難しいかもしれませんが、年齢や園の環境に応じて取り入れられそうなものを工夫して取り入れてみてください。

何より、子ども達と一緒に無事に1年を終え、そしてまた新しい年が迎えられた喜びを共有し、生き生きとした園生活が送れることを願っています。

ライタープロフィール

西須 洋文さん
30年以上、保育士として保育園やこども園に勤務。現在はWebライター、リトミックや親子遊びの講師などとして活動中。

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