【保育園での虫歯予防デー】目的・説明の仕方・取り組みなどを紹介します。
- 保育園行事
- 2022/05/23
保育園での虫歯予防デーの取り組み方について紹介します。
保育園で行う虫歯予防デーの目的は?
歯・口の健康に関する正しい知識普及、歯科疾患の予防など
保育士であれば、虫歯予防デーについて知っている方は多いと思います。虫歯予防デーは、もとは6月4日の一日だけでしたが、現在では1週間となっていて、正式名称は「歯と口の健康週間」といいます。
長い歴史がある虫歯予防デーという名称が定着しているので、今でも一般にそう呼ばれています。
目的
・歯と口の健康に関する正しい知識の普及、歯科疾患の予防につながる適切な習慣の定着
・歯科疾患の早期発見と早期治療を徹底することで歯の寿命を伸ばし、国民の健康を保ち増進させることに貢献する
期間:6月4日〜10日
100年近い長い歴史を持つ虫歯予防デーは保育園では定番行事となっていて、それを機会に、虫歯予防の意識を高めていく園が多いようです。
なので、保育園で虫歯予防デーを取り入れる際は、子どもたちに向けたねらいを明確にしていくといいでしょう。
一般的には、以下のようなねらいが考えられます。
・歯や口の働き、役割について知る
・虫歯について知る
・正しい歯磨きについて知る
子どもたちへの説明の仕方 例
虫歯予防デーでは、子どもたちに、歯や口の働き、虫歯、歯磨きについて興味を持ってもらえるよう声掛けをしていきたいですね。
声掛けのポイントを3つ紹介します。
虫歯予防デーについて伝える
まずは、虫歯予防デーについて、その目的を子どもたちにわかるような言葉で伝えるとよいでしょう。
声掛けの例
「今日から虫歯予防デーです。みんなは虫歯になりたい?なりたくないよね。
みんなの歯が虫歯にならないように、お口や歯が元気でいられるようにしていきましょうね」
歯の大切さ、虫歯予防の大切さを伝える
厚労省のデータによると、3歳児でむし歯のある子は、32.25%(2002年度)から14.43%(2017年度)へと年々減少してきています。これは子どもたちへの指導が進んだ結果と言えます。ただ、5歳児では、依然として30%の子どもに虫歯があるなど、虫歯予防を伝え続ける必要があります。
声掛けの例
「虫歯になったら、歯が痛くなって、ごはんが食べられなくなるよね。
自分の好きなものやおいしいものを何でも食べたかったら、歯を大切にして虫歯にならないようにしようね」
歯磨きの仕方を伝える
保育士は、日々、子どもたちを指導しながら歯磨きをしていると思います。この機会に、今一度、正しい歯ブラシの持ち方、歯のどこをどうやって磨くのか、子どもたちに伝えるとよいでしょう。
虫歯予防デーの取り組みアイデア4つ紹介!
虫歯予防の大切さは、ただ話すだけではなかなか伝わらないものです。例えば、子ども向けにストーリー仕立てにするなど、楽しく工夫することでより理解が深まります。
ここでは、先生が行う出し物のアイデアを紹介します。
絵本の読み聞かせ
歯磨き、虫歯をテーマにした絵本は数多くあります。そうした絵本の読み聞かせで、わかりやすく虫歯予防について伝えるとよいですね。
年齢に合わせた絵本を参考に紹介します。
紙芝居にも同様のものがあるので、図書館などで探してみましょう。
1・2歳児の場合
はぶらしくんです。
乳児に人気の「たのしいいちにち」シリーズ5作目。はぶらしくんのお仕事の様子が描かれていて、歯磨きが楽しくなる絵本です。
著者:とよた かずひこ
出版社:童心社
3・4歳の場合
むしばいっかのおひっこし
子どもなら誰もが気になる、「虫歯ってどうしてできるの?」という疑問をユーモアたっぷりに描いた絵本です。実際に読み聞かせをすると、とても食いつきがよいです。
著者:にしもと やすこ
出版社:講談社
5・6歳の場合
はははのはなし
歯の役割、虫歯になるメカニズムや歯みがきの大切さを、子どもたちにわかりやすく伝える古典的な絵本。歯が溶ける場面などは、子どもたちも興味津々になります。
著者:加古 里子
出版社:福音館書店
先生による劇
先生たちが虫歯をテーマにした劇を演じるのも効果的です。例えば、健康な歯が虫歯に変わっていく様子、歯ブラシの活躍などを劇に仕立てると、子どもたちは興味を持って見てくれます。
ペープサート、エプロンシアター
ペープサートやエプロンシアターは、特に幼い子たちの気持ちを掴むのに適しています。
歯の大切さや虫歯予防をテーマにして、保育士が製作したペープサートやエプロンシアターを上演すると、子どもたちの印象に強く残ります。
準備が大変ですが、保育士が製作をするだけでなく子どもたちと一緒に作り上げても、よい経験になりますね。
クイズ
虫歯に関して、子どもたちに簡単なクイズをするのもおすすめの方法です。年齢に合わせて内容は変えていきましょう。
クイズ事例
質問:
「甘いものばかり食べたり飲んだりしていると、虫歯になりやすい。〇か×か?」
答え「〇」
質問:
「虫歯にならないためには、どうしたらいい? 1.よく寝る 2.運動する 3.歯磨きをする」
答え「3.歯磨きをする」
質問:
「一番虫歯になりやすい歯はどこの歯? 1.前歯 2.奥歯 3.犬歯」
答え「2.奥歯」
虫歯予防・歯磨きを習慣づけるには?
家庭も巻き込んだ取り組みが重要!
歯の健康管理は、家庭での取り組みが重要です。
なので、虫歯予防デーをきっかけに、家庭での歯磨きや食習慣も見直してもらうよう働きかけてみましょう。
そのためには、連絡帳で伝えたり、おたよりに載せたりして、園での取り組みを伝えます。
気になる家庭には、送り迎えの際などに保護者に直接お話をしてもよいですね。
まとめ
虫歯予防は、幼いころからの歯磨き習慣づくりがカギだと言われています。歯や口について楽しく知る機会をつくることで、子どもたちは、自発的に歯磨き、歯と口の健康づくりに取り組んでいけます。
虫歯予防デーを利用して、楽しみながら子どもたちの意識を高めていってあげてください。
ライタープロフィール
玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。
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