院内保育とは?働くメリット・デメリットなども紹介
- 保育士の就職・転職
- 2022/04/25
保育士の就職先として、院内保育という選択肢があります。あまり知られていない院内保育について詳しく紹介します。
院内保育とは?
病院内で働く医師・看護師などの子どもを預かる保育施設
院内保育とは、病院内で働く医師や看護師などの子どもを預かる保育施設です。主に病院内か病院に併設した場所に設置されています。
総務省の調査では、全国で2,977施設(2020年度)あり、毎年増加傾向にあります。
院内保育は、大きな病院であれば設置率が8〜9割に達していると言われています。
増加の背景は、政府による女性医師支援の動きもあり、病院が工事費等の補助を受けられることがあります。
一般の保育園と院内保育との違いは?
登園・降園時間が一定ではないなど
院内保育の仕事内容は、一般の保育園と大きくは変わりません。子どもたちに対して、食事や身の回りの世話、遊びなど、一般的な保育を行います。
ただし、病院内で働く医師や看護婦が対象となることから、一般の保育園とは異なる点があります。
例)一般的な保育園との違い
・保護者の出勤に合わせるので、子どもの登園・降園時間が一定ではない。
・保育時間が長く、夜勤もあり24時間保育を行う園も多い。
・1つの部屋での異年齢保育が一般的。
・病院の開業日に合わせるため、土日開園している場合もある。
院内保育は、保護者がシフト勤務の場合が多いので、子どもの利用時間が日々変わりますさらに、異年齢保育が一般的なので、保育士はその対応が必要になります。
開園時間は一般の保育園と大きく異なり、夜間まで開園しているケースが多いです。
日本医労連保育対策委員会の調査によると、24時間保育に対応しているところは全体の6割、休日保育に対応しているところは全体の半数となっています。
企業内保育とはどう違う?
土日休みか などの違い
院内保育と似た施設に企業内保育があります。院内保育と同じように保護者が身近にいる、行事も少なめなど似た部分がありますが、異なる点としては、以下があげられます。
例)企業内保育園との違い
・土日休みであるかどうかの違い
・登園方法(時間)の違い
企業内保育では、企業の休みに合わせて土日休みであることが多くあります。また、一般の保育園と同じで一斉登園のことが多いので、その点も院内保育との違いとしてあります。
院内保育で働くメリットは?
少人数保育なのでコミュニケーションも密!
保育士が院内保育で働くメリットは、主に以下のようなものです。
例)院内保育で働くメリット
1.子どもとじっくり向き合える少人数保育。職員同士のコミュニケーションも密。
2.保護者が身近にいることの安心感。
3.イベントなどが少ないなどで業務負担が小さい。
院内保育は小規模園がほとんどです。なので、大がかりな行事が少ない傾向があり、子どもと関わる時間を持ちやすい点が魅力です。
また、職員が少ないので、大規模園よりもコミュニケーションがきちんと行えるという利点もあります。
院内保育勤務経験者によると、行事やイベントが少なくシフト制勤務のため、ほぼ定時で帰れるという話もあります。
院内保育で働くデメリット、注意点は?
異年齢保育が主であり、場合によって夜勤あり!
保育士が院内保育で働くデメリットは、主に以下のようなものです。
例)院内保育で働くデメリット、注意点
1.場合によって夜勤もある。
2.異年齢保育が主である。
3.行事が少ないなど、保育内容が物足りない場合がある。
4.一般の園に比べて、環境に不満を感じる場合がある。
一般的に、医師や看護師は24時間365日稼働していて、勤務は日勤、夜勤、早番、遅番などのシフト制になっています。院内保育もそうした勤務に合わせて開園します。そのため、夜勤もあり場合によっては24時間保育が必要になってきます。
ただし、実態としては小さな子どもがいる看護師は夜勤が少ないので、夜間の預かりは月に数日というところが多いようです。
園では夜勤について希望制を取っている場合が多く、夜勤ができないと働けないというわけではありません。病院の開業日に合わせて土日も開園している場合、土日出勤が必要になってくることもあります。
保育内容については異年齢保育のため、発達に合わせた工夫が必要になります。そのため、保育士は年上の子に合わせるか、年下に合わせるかなど、頭を悩ませる場面が多いようです。
また、一般の保育園に比べると、施設や保育内容が物足りないという意見もあります。
院内保育に向いている人は?
家庭的な保育を実践したい保育士
院内保育は、一般的に、少人数保育で施設としても小規模なものが多いです。なので、家庭的な保育を実践したい保育士には向いています。保護者が病院内にいる安心感も魅力です。
また、行事が少なく残業時間も少なめの傾向があるなど、ワークライフバランスを重視して働きたい方も院内保育に向いているといえるでしょう。
夜勤は希望制のことが多いようですが、手当てが付くため夜勤が苦にならず、収入アップを視野に入れている方にも院内保育はおすすめです。
まとめ
院内保育で働く保育士はそれほど一般的ではありませんが、経験者は院内保育で働き続けることが多く、独自の魅力があるようです。その魅力は、少人数保育や業務負担の少なさ、異年齢保育ならではのやりがいなどです。
また、医師、看護師の子どもを預かるので、医療を支えるという意味でも社会的意義の高い仕事といえます。
ライタープロフィール
玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。
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