臨時保育士とは?臨時保育士のメリット・デメリットを紹介
- 保育士の就職・転職
- 2021/12/28
保育士の雇用形態の一つ、臨時保育士について仕事内容・待遇・メリット・デメリットなどを紹介します。
臨時保育士とは?
おもに公立保育園で臨時職員として働く保育士!
臨時保育士とは、主に公立保育園で臨時職員として働く保育士のことを指します。
臨時保育士は、以下の理由などから必要とされ、募集されます。
・産休、育休に入る職員の補填
・障害児のための加配保育士として
臨時保育士は、地方公務員法の臨時職員に当てはまるため、肩書は地方公務員となります。公立保育園では、正規職員の募集は少ないのですが、臨時保育士の募集は多く行われています。
注意点
注意したいことが、現在の求人では「臨時保育士」や「臨時職員」と書かれず、「会計年度任用職員」という名称が使われています。
2020年4月1日より地方公務員法の改正が行われたためです。それに伴って、待遇にも変化があるので、後述します。
また、私立保育園でも「臨時保育士」「臨時職員」の名称で募集をしていることもあります。
こちらも公立保育園と同じ理由で代替要員を募集しているケースが多いようです。
臨時保育士の仕事内容を紹介!
臨時保育士の仕事内容について、一般的な臨時保育士である、公立保育園の臨時保育士を例にご紹介します。
臨時保育士の勤務期間、勤務時間
臨時保育士の勤務期間は、基本的に短期間です。その期間は各園によって様々ですが、地方公務員法では「最大1年間」と定められています。応募する際は募集要項をきちんと確認しましょう。
契約更新ができる場合もあり!
ただし契約期間が終了した後、契約更新ができる場合もあります。
勤務時間については、フルタイムだったり、パートで決まった曜日・時間だったりします。
早番・遅番のみということもあるようです。こちらも募集要項を確認してください。
おもな仕事内容
臨時保育士は、フルタイムであれば保育補助でなく正規職員の業務を行うことがほとんどです。例えば、産休中の保育士の補填で採用された場合、その業務を引き継ぐなどです。
なので、正規職員と変わらない、以下のような業務を行うことになります。
業務内容
・クラス担任業務
・保育計画の作成
・事務作業
・保護者対応
臨時保育士の待遇は?
臨時保育士の一般的な待遇について紹介します。
給料、賞与について
臨時職員には、月給、日給、時給の3つの給与形態があります。月給制の求人では、正規職員と同じ扱いとなり、フルタイムで働くことになります。日給、時給はパート職員となります。パートの方が、自身のライフスタイルに合わせて働き方を選べる傾向があります。
待遇、福利厚生について
地方公務員法の改正に伴い、今までの臨時保育士の待遇、福利厚生とは異なってきています。
新しく「会計年度任用職員」となった臨時保育士は、常勤職員との処遇の差をなくすための処遇改善の一環で、以下のような待遇が用意されています。
これはフルタイムの場合の一般的な待遇です。
パートの場合は、賞与が出ないなど、また異なります。
・通勤手当
・賞与
・社会保険
・雇用保険
上記に加えて、求人によっては退職金が支給されることもあるようです。
休暇について
一般的に、以下が取得可能です。
・年次有給休暇
・産休
・育休
ただし、臨時保育士は契約期間が短いため、取得しにくいのが現状です。有給休暇は6ヶ月経過後に取得できる、産休・育休中は無給になるなど、それぞれに条件があるので注意が必要です。
副業について
昨今、政府の後押しもあり副業が盛んになっていますが、公立保育園の臨時保育士は地方公務員という立場になるため、基本的には副業はできません。ただし、今回の法改正では、フルタイムでなく、パートの場合は副業が可能となっています。
また、私立保育園の臨時保育士の場合は、園が禁止をしない限り、副業が可能な場合もあります。
臨時保育士のメリット、デメリットは?
正規職員と異なった働き方である臨時保育士。そのメリットとデメリットについて紹介します。
臨時保育士のメリット
保育の経験を積める!
臨時保育士は、フルタイムであれば正規職員と同等の業務を行います。これは負担と考えるか、経験の浅いうちから責任ある仕事を任されると考えるかは、当人の考え方によります。
いくつかの保育園で短期間の経験を積んでいくことが可能です。
短期間で働ける!
長く勤めることを目的とせずに、期限がある働き方をしたい方には向いています。そのほうが気が楽で負担が少ないと考える場合です。
例えば、ブランクのある方がリハビリとして、臨時保育士からスタートするということもあるようです。
また、公立保育園の正規職員となるため、職員採用試験の勉強をしながら、臨時保育士として働いている方もいるようです。
臨時保育士のデメリット
正規職員と比べて待遇が良くない!
臨時保育士は、正規職員の保育士と比較すると給与は低い傾向があります。
今回の法改正で処遇改善が行われていますが、昇給もないため、同じ待遇とは言えません。
短期間の契約である!
臨時保育士には契約期間が設けられています。契約の更新が必ずあるわけではありません。
不安定な雇用となり、それがストレスになることがあります。
臨時保育士から正規職員になれる?
臨時保育士を続けるだけではなれない!
公立保育園の場合でいうと、臨時保育士を続けていれば、公立保育園の正規職員になれるかというと、なれません。また、正規職員になりやすいかというと、そういうこともありません。正規職員になるためには、自治体の職員採用試験に合格し、その後就職する必要があるためです。
臨時保育士の求人募集を探すには?
自治体のホームページ、ハローワーク求人などでチェック!
公立保育園の臨時保育士の募集は、主に以下に掲載されています。
・自治体のホームページなど
・ハローワークなどの求人媒体
自治体が募集しているため、自治体のホームページは必ずチェックしましょう。
登録制のこともあり、名簿に登録しておき、募集が出た場合に知らせてくれる自治体も多いようです。詳しく知りたい方は、自治体に問い合わせをしてみましょう。
求人媒体としてはハローワークが一般的です。
まとめ
公立保育園の臨時保育士は、2020年4月からの法改正で処遇がかなり改善されてきていることは意外に知られていません。契約期間が限られていることをメリットに考えられる方なら、魅力的な雇用形態であるといえます。転職する際の選択肢として考えられてもいいかもしれません。
ライタープロフィール
玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。
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