加配保育士の役割とは?必要なスキルを知ろう!
- 保育士お役立ち情報
- 2021/12/15
障害のある子どもを担当する加配保育士について、その仕事内容、必要な資格・スキルなどを紹介します。
加配保育士とは?
障害の診断を受けた子どもを対象に配置される保育士!
加配保育士については、存在は知っていてもその詳細を知らない方も多いのではないでしょうか。
加配保育士は、障害の診断を受けた子どもを対象に配置される保育士です。
その概要について、以下に簡単にまとめました。
・一般に、障害のある子ども2人に対して加配保育士1人を配置します。
・障害のある子が集団生活をおくるうえで必要な個別の援助や配慮を行います。
・配置にあたっては、厚生労働省により国からの補助金などの支援策があります。自治体によって別途規定がある場合もあります。
・障害のある子の保育、保護者対応となるため、専門的な知識が必要になってきます。
加配保育士は、障害のある子に寄り添いながら、充実した園生活を行うことができるように手助けする役割を担います。
現在、全国18,947箇所(2019年度実績)で障害児保育を実施!
現在、全国の18,947箇所(2019年度実績)で障害児保育が実施されています。
これは9年前の2010年度から約5千カ所増えていて、年々増加の傾向です。それに合わせて、加配保育士の需要も高まっています。
(参考:厚生労働省/各自治体の多様な保育及び障害児保育の実施状況について)
加配保育士の役割・仕事内容は?
障害のある子を担当する加配保育士の仕事内容は、どのようなものでしょうか。
ここでは、加配保育士が保育の現場で担う役割を紹介します。
1.障害のある子への保育
障害のある子がスムーズに過ごせるように支援を行います。例えば、障害によっては集団行動に支障がある場合もあります。なので、加配保育士はその子のペースをくみ取りながら、楽しく活動ができるよう配慮をしていきます。
障害の内容や性格などによってサポート方法は異なるため、子どもとの信頼関係を育みながら、適切な援助をしていく必要があります。
2.他の園児との関係づくり
障害によっては、他の園児とのコミュニケーションが難しい場合があります。障害のある子が、同じクラスの園児と円滑にコミュニケーションできるようにサポートしていきます。
例えば、障害のある子がいじめの対象になったり、他の園児から怖がられたりすることがあります。そうならないように、他の園児との間に立って関係づくりをしていきます。
3.行政機関の連絡窓口
加配保育士には、自治体、保健所などの機関と園の窓口になる役割があります。また、そうした機関に向けての報告書類作成なども行っていきます。
4.個別保育計画の作成
障害のある子の場合、能力や発達段階に応じて、個別に保育計画を考える必要があります。
子どもが療育施設などの機関に通っている場合は、保護者の了解も得ながら、連携して情報を共有していきます。
5.保護者対応
保護者対応は、障害の理解のためにも綿密に行う必要があります。特別な方法は必要ありませんが、連絡帳のやり取りや送迎時の会話などで、おうちでの様子を聞き取りながら、信頼関係を築きあげていきます。
加配保育士になるための必要なスキルは?
障害児保育に関する知識!
加配保育士になるためには、特別な資格はいりません。保育士資格を持っていれば加配保育士として働けます。
ただし、障害のある子をサポートするための専門知識やスキルが求められます。一般に、保育士が保育士資格を取得する際には障害児保育に関する知識も学びます。
加配保育士の場合は、それだけではなく、現場での経験、研修や書籍で得た知識がさらに必要になってきます。
障害の種類ごとに求められる必要な知識・スキル!
まず障害といっても種類があり、発達障害、身体障害などによって必要な知識が異なります。
さらに、子どもが持つ障害の度合いによってもサポート方法が変わってきます。
正しい理解に基づいて適切に関わるためにも、加配保育士は子どもの様子をよく観察して、よりよい保育活動を行えるように、少しずつ経験を積み重ねていくことが求められます。
保護者のケアも大切!
さらに、子どもだけでなく保護者のケアをすることも大切です。保護者の中には、障害のある子の子育てに対して不安やストレスを多く感じている方もいます。そうした保護者に配慮して、相談できる相手になることも加配保育士の仕事になります。
まとめ
私も障害のある子の保育に少しだけ関わったことがあります。その際は、障害児保育には特別な配慮と経験の積み重ねが必要だと感じました。
加配保育士は専門的なスキルが求められる職種です。ただ、特定の子どもと密に過ごすことができて、達成感の多い仕事でもあります。
保育士への就職、転職を考えている方は、保育の幅を広げていくためにも、加配保育士を選択肢に入れていくといいでしょう。
ライタープロフィール
玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。
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