子ども達と元気に遊んで冬季うつ病予防！

保育士お役立ち情報
2021/12/02

冬になると決まってメンタル面が不調になる方、いませんか？うつ病の中には季節性のものがあります。寒い季節になり決まって心身の調子が崩れるという場合、冬季うつ病かもしれません。

季節性のうつ病とは

決まった季節に心身の調子を繰り返し崩すものを、季節性うつ/季節性感情障害 （Seasonal Affective Disorder ; SAD）と呼んでいます。

その季節が過ぎると症状が治まりますが、また同じ季節がめぐってくると調子を崩す（周期性）のが特徴的です。最も有名なのが冬季うつ（ウィンターブルー）で、数は少ないですが夏に見られる夏季うつもあります。男性よりも女性に多くみられます。

症状

10～11月の間に次のような症状が出ていないか、チェックしてみてください。
・不眠or過眠
・食欲減退or食べ過ぎて太った
・何をしていても楽しいと思えない
・気分の落ち込みが長く続いている
・疲れやすく、休みの日は一日中横になっていたい
・仕事がいつも通りに処理できない
・思考力・集中力が低下した
※3つ以上が2週間以上持続していて、日常生活に支障がある場合は注意が必要です。

うつ症状のみの場合と、あいだに躁の症状を挟む場合があります。
冬季うつは、過眠や過食になりやすい傾向があるようです。ストレスを自覚していないのに気持ちの落ち込みがみられることもあります。

原因

秋から冬にかけ、日照時間が短くなることにより、セロトニンやメラトニンの、分泌量や分泌のタイミングに変化が起こることが影響しているとされています。
セロトニン…脳内で睡眠の調整や神経の安定を助けています。
メラトニン…体内時計の調整をしています。
そのため、日照時間が長くなる3月ごろに症状が落ち着いていきます。

治療

仕事や日常生活に支障が出てきている場合は、なるべく早く精神科、心療内科、メンタルクリニックなどを受診してください。
治療は、通常のうつ病と異なる点では、高照度光療法が用いられます。
症状が重い場合や光療法で効果が見られない場合は、通常のうつ病と同じで、薬物療法と、認知行動療法が有効とされています。

予防

午前中の光をあびる

セロトニンとメラトニンの分泌を促すには、午前中の日光を浴びることが効果的であることがわかっています。
保育士さんの場合は、午前中、積極的に園庭やお散歩に行って外遊びをすることが、子どもたちのためだけでなく、保育士自身の健康にもとても良いです。寒い季節ですが、積極的に外遊びをしましょう。室内遊びなら、カーテンを開けて、窓に近い場所で活動するのも良いですね。
遅番がメインの方は、仕事がなくても午前中の光を浴びられるように散歩や買い物などの活動をしてみてください。

日常生活を整える

普段から、睡眠・食事・運動など、日常生活を整えるようにしましょう。疲れを感じた時には休養を取り、無理しすぎないように気を付けてください。こういった、基本的なことを日々維持していくことが本当に大切です。
シフトに変動がある場合、生活のリズムが崩れてしまうことがあるかもしれません。遅く出る日や休日も、なるべく同じリズムで生活できるように気を付けてみてくださいね。

≪心理カウンセラープロフィール≫

松本　いずみ
公認心理師。明治学院大学大学院心理学専攻修士課程修了。ストレスチェック実施者研修修了。スクールカウンセラーとして都内中高で12年間従事するかたわら、メンタルヘルスサイトにて一般向けに心理学コラムの執筆とメールカウンセリングを担当。プライベートでは0歳と7歳の2児の母。最近は「あつまれどうぶつの森」を家族で楽しんでいます。

参考

カウンセラーライフ　冬季・夏季うつだけじゃない！季節性うつのチェックと対策
https://co-life.jp/%e5%ad%a3%e7%af%80%e6%80%a7%e3%81%86%e3%81%a4/

社会福祉法人　恩賜財団　済生会　季節性感情障害（SAD）
https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/seasonal_affective_disorder/