園全体がきょうだい!異年齢保育の上手な取り入れ方は?
- 保育士お役立ち情報
- 2020/11/24
少子化の現在、様々な年齢の子たちがふれあえる異年齢保育が注目されています。異年齢保育の取り入れ方、工夫ポイントについて紹介します。
異年齢保育のねらいは?
「人と関わる力・思いやりの心」を育む!
異年齢保育は、縦割り保育や混合保育とも言われ、各園で様々に工夫をして取り入れています。そのねらいについては、以下のようなものが一般的です。
・年齢が異なる子との関わり方を学び、「人と関わる力」を育む。
・社会性や協調性、思いやりの心を身につける。
異年齢保育の最大のポイントは、子どもたちが年齢の枠を越えて共に学び合い、成長していくことです。少子化が進み、年齢の異なる子が共に遊ぶ機会が少ない今、異年齢保育は貴重な機会になっています。
異年齢保育の実施例を紹介!
私が勤務していた園では「きょうだい保育」という名称で異年齢保育をさかんに行っていました。具体的には、最年少から年長のグループで仮想の兄弟関係をつくり、一緒に活動していました。
そうするうちに、散歩の時、年長児が率先して年下の子の手を繋いで歩くなど、微笑ましい姿がよく見られるようになりました。
異年齢保育のメリットは?
異年齢保育には様々なメリットがあると言われていますが、一般的なものは以下になります。
年下の子は、年上への憧れで成長できる!
年下の子どもは年上の子に刺激を受けて「あんなふうになりたい」と目標にできます。そうすることで、意欲を高め、興味・関心の幅も広がっていきます。
年上の子に引っ張られることで、年齢以上の力を発揮できることがあります。
年上の子は、手本となるための自覚が育まれる!
年上の子どもは年下の子とのふれあいの中で、様々なことを教える場面が出てきます。そうすることで、自然に年上の子は年下のお手本になり、それが自信へとつながっていきます。
特に年長児は年長としての自覚が育まれていきます。
思いやりの心が育つ!
異年齢の子と関わる中で、自然と人を思いやる心が身についていきます。通常の保育の中ではなかなか育ちにくい思いやりの心ですが、異年齢保育では育ちやすい傾向があります。
異年齢保育の上手な取り入れ方は?
園によって異年齢保育の導入の仕方は様々ですが、一般的に、一日を通してでなく、一定の時間を共に活動をすることがほとんどのようです。その活動をどの年齢の子どもも楽しめるようにするには、保育士の工夫が必要になります。
異年齢保育の取り入れ方例を紹介!
ふれあい遊び
異年齢での遊びは力の差が出やすく、競争の要素のあるものはおすすめではありません。ふれあい遊びであれば、子ども同士のスキンシップが目的なので、異年齢保育にふさわしいと言えます。
例えば、協力し合って楽しむ「手つなぎ鬼」のように、連携プレイを楽しみながら全員で盛り上がるような内容がおすすめです。
ごっこ遊び
異年齢の子たちが遊びやすいのがごっこ遊びです。それぞれはっきりとした役割があるため、取り組みやすいようです。
お店屋さんごっこ、おままごとなどありますが、特におままごとは、年上の子が年下の子の面倒を見たり、その逆の場面があったりと、異年齢保育で楽しめる遊びです。
他に、意外と盛り上がるのが保育園ごっこです。子どもたちがいつも見ている先生たちを真似したりして遊びます。子どもの観察眼に意外な発見があったりするので、保育士も見ていて楽しめます。
製作あそび
制作あそびでは、大きな紙にのびのびと描く遊びなどが異年齢では取り組みやすいようです。ビニールシートを敷いて、その上に模造紙をつなぎ合わせて広げ、子どもたちは紙の上に乗って自由に描きます。クレヨンやペン、色鉛筆など筆記用具はなんでも構いません。年上の子と年下の子が一緒に同じテーマで描いてもよいですね。
絵の具を使って感触遊びをするなどもおすすめです。
まとめ
異年齢保育を取り入れていくと、保護者の口から子どもの変化について聞かれることが増えてきます。例えば「最近、頼もしくなってきた」とか「年上の◯◯くんのことが好きでよく話している」などです。 きょうだいが少ない家庭も多いので、異年齢保育を取り入ると、園全体が兄弟のように感じられてくるのかもしれませんね。
ライタープロフィール
玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。
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