保育観が試される!仲間はずれへの関わり方・対処法は?

子どもたちの人間関係を見ていると、気になることがたくさん出てきますね。仲間はずれもよく見かけます。ところで、仲間はずれはそもそも悪なのでしょうか。子どもたちが成長していく中で発生する仲間はずれ、その対処法について考えました。

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子どもの仲間はずれはなぜ起こる?

子どもの成長・発達が深く関係している!

年齢が上がってくるにつれて、子どもたちの人間関係もさまざまに変化していきます。そうした子どもの社会では「仲間はずれ」は決して珍しいことではありません。

例えば、子ども同士で“○○ちゃんは××が違う”などの理由を付けたり、また理由もなく突然仲間はずれにしたりします。そうした場面に、保育士であれば遭遇することも多いですね。 そもそも子どもはなぜ友達を仲間はずれにするのでしょうか?
児童臨床心理学の見地からは、仲間はずれの心理は以下のように考えられています。

・根底には「人に影響を与えたい」という気持ちがある。
・自分が行為の主体であると感じたい。
・子どもだけの人間関係ができていく中で、変化を起こそうとする意識が発達。
・仲間外れを続ける子は、他にストレスを感じていて、つい続けてしまう場合もある。

お気づきかと思いますが、ごく幼い子には上記のような意識は芽生えていません。仲間はずれは望ましいものではありませんが、実は子どもの成長・発達と深く関わっています。
極端に言えば、仲間はずれは成長とともに発達する自我が「正しくない形」で発揮されてしまっている状態です。それが正しい形で発揮できれば、リーダーとなって周りに良い影響を与えることもできるはずです。
ただし、そのようにはうまくいかないことも多いのです。また、仲間はずれをする子自身が、内面に問題を抱えていることもあります。

保育士は仲間はずれにどう対応するべき?

保育士が仲間はずれを目にした時、また子どもから相談された時、具体的にはどう対応するべきでしょうか。そのコツと注意点について紹介します。

本人たちの話をしっかり聞き、大人の意見を押し付けない!

仲間はずれをやめさせるための効果的な言葉かけは存在しません。それよりも必要なのは、本人たちの話をしっかり聞いて受け止めることです。そして、非難しないことも重要です。非難すると、次からは心を開いてくれない可能性があります。

まず仲間はずれをしている子に理由を聞いてみます。
「今日は○○ちゃんと遊びたいから、遊ばない」と言うかもしれません。ここでは「いじわる」かどうか、悪意を持っているかも確認をします。もし悪意があるようであれば、注意することも必要になってきます。そして、仲間はずれになっている子にも話を聞きます。「いつも遊んでいるのに、仲間に入れてくれない」と言うかもしれません。
そのように、保育士はお互いの話を受け止めて、それぞれに誤解を生じないように間に入ります。

ここで重要なのは、保育士はお互いのやり取りがうまくいくようにサポートしますが、「一緒に遊びなさい」とか「仲良くしなさい」とは言うべきではありません。理想は「みんな仲良く」ですが、現実はもっと複雑なものです。
例えば、仲間はずれにされた子が泣いて「一緒に遊びたい」と言っても、相手が嫌であればそれを無理やりつなげることは避けるべきです。なぜなら、子どもには子どもの関係があり、大人が介入して子ども同士の関係を表面的に取り繕っても問題は解決しないからです。

子どもの成長の機会として捉える!

大人であれば、子ども時代に仲間はずれについて「したことがない」「なったことがない」人は少数派ではないでしょうか。 つまり、仲間はずれは子どもにとってこれからもずっと続いていく問題です。

仲間はずれにあった子にとっては、そこでめげずに次に向かっていく、自分で乗り越えていく機会にすることも、時には必要になってきます。
とはいえ、保育士は仲間はずれにあった子がいると、すぐに「かわいそう」に感じてしまうかもしれません。そうなると、その子のために世話を焼いてしまうかと思います。
注意したいのは、そうすることでその子が自分で何とかする芽を摘んでしまっているかもしれないということです。離れていった子の心を戻すことは難しいこともあります。それはその子の成長かもしれないからです。

そうであれば、仲間はずれにあった子が次に進めるように支援してあげることも保育士の仕事かもしれません。それは「仲間はずれはダメ」と子どもたちの関係に介入するより難しいことも多いです。ただし、長い目で見た時にその子が自分で乗り越えていく体験をすることは、人生を生き抜いていく力につながるかもしれないのです。

まとめ

保育現場で気になる、子どもの仲間はずれ。保育士の対処法としては、頭ごなしに叱るのではなく、理由を聞き出してお互いの橋渡しをすることが必要になってきます。
ポイントは、大人の自己満足にならないように、子どもの力を信じて支援していくことです。

ライタープロフィール

玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。

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