これで万全!保育園の感染症対策
- 保育士お役立ち情報
- 2020/01/23
冬の時期は特に、保育園で猛威を振るう感染症。拡大させないための工夫を紹介します。
そもそも感染症とは?
一人がインフルエンザにかかったりすると、保育士が気を付けていても、あっという間に広がってしまう…それが感染症の恐ろしさです。
保育園は、長時間、集団で生活する施設で、しかも乳幼児は免疫が弱いために感染症にかかりやすいのです。
なので、保育園での感染症対策には、細心の注意が必要です。
乳幼児のかかりやすい感染症としては、インフルエンザの他に、感染性胃腸炎、 RSウイルス感染症、溶連菌などがあげられます。どれもおなじみの名前ですね。
では、そもそも感染症とはどんなものでしょうか。
感染症とは、一言でいうと、病原体(ウイルス、細菌)が身体に侵入して、症状が出る病気のことをいいます。
園内での感染は、主に接触感染、飛沫感染が多いです。これらのことを「感染経路」といいます。
また、病原体が体内に侵入して症状が現れるまでには一定の期間があり、これを「潜伏期間」といいます。
保育士は、上記「感染経路」や「潜伏期間」についてなど、感染症について一通り知っておきたいですね。
保育園での感染症対策はこう進めよう
一般に、感染症対策とは、以下の3つになります。
この3つを万全にすることで、保育園での感染症の拡大を最大限防ぐことができます。
1.「感染源」対策
感染源とは、感染症を発症中の園児・職員のことです。
感染源からこれ以上広がらないようにすることが重要です。
・発症している園児は、大量の病原体を周囲に排出しています。症状が軽減して医師の許可が出るまで、登園を控えてもらいます。
・園内で急に発病した場合には、医務室などの別室で保育しましょう。
・発症していない園児、職員も潜伏期間中の可能性があることに留意しましょう。
2.「感染経路」対策
保育園での「感染経路」には、接触感染、飛沫感染の2つが多く見られます。それぞれに応じた対策を取る必要があります。
・接触感染…「こまめな手洗い」がカギ!
例えば、感染性胃腸炎のほとんどは、接触感染でうつります。照明のスイッチやドアノブなどから菌やウイルスがつくことで感染するのです。
対策には、30秒ぐらい手洗いするのが最も有効です。外出から帰った後、昼食前などに、子どもたちと楽しく歌いながら手洗いするなど、指導を工夫してみてください。
また、アルコール消毒液で手を消毒するのも効果があります。
・飛沫感染…「咳エチケット」と「マスク」を徹底しよう!
飛沫感染とは、例えば、インフルエンザに感染している人の咳、クシャミなどによる飛沫が原因となる感染です。
これを防ぐためには、日常的に全員が「咳エチケット」を実施することが大切です。
「咳エチケット」は咳・くしゃみをする際に、マスクやティッシュ、服の袖を使って、口や鼻をおさえることです。
また、職員はマスクの着用を徹底しましょう。おすすめは「サージカルマスク」です。
注意したいのが、「サージカルマスク」は使い捨てが基本ということです。
表面に、その日ブロックした病原菌が含まれているので、触らずに捨てるようにしてください。
3.「感受性」対策
感受性対策とは、一言でいえば、予防接種のことです。
・園児は、入園前に受けられる予防接種はできるだけ済ませておいてもらいます。
保育士は園児すべての予防接種の状況を把握し、保護者にも接種の必要性を理解してもらいましょう。
・ 職員についても、これまでの予防接種の状況を把握し、接種していない予防接種については、嘱託医にも相談しながら、受けてもらうようにしましょう。
注意したいのが、保育園で感染症の侵入・流行を「完全に」阻止することは不可能だということです。
なので、感染症が発生した場合には、規模を最小限にすることを目指してください。
また、園児だけでなく、職員がいつのまにか感染しており、感染源となってしまうことも多いです。職員の体調管理にも気を配りましょう。
まとめ
保護者から「保育園に行ったら、インフルエンザがうつってしまった」と言われたことはありませんか。
子どもたちの健康を守るために、感染症の対策は特に気を付けたいですね。
感染症対策は難しくありません。手洗いやマスク着用、咳エチケットなど、ちょっとした工夫で大きな効果があります。園全体で取り組んで、対策を万全にしましょう。
ライタープロフィール
玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。
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