保育士と幼稚園教諭の違い。教員免許の更新を忘れずに!
- 保育士お役立ち情報
- 2019/11/28
保育士と幼稚園教諭の違いについて、あらためてチェックしておきましょう。 また、幼稚園教諭免許をお持ちの方は、免許の更新を忘れずに。
保育士と幼稚園教諭の違い。教員免許の更新を忘れずに!
保育士と幼稚園の先生、両方とも資格を持っているという方…転職するならどっちがいいですか?
保育士と幼稚園教諭の違いについて、あらためてチェックしておきましょう。
また、幼稚園教諭免許をお持ちの方は、免許の更新を忘れずに。
保育士資格と、幼稚園教諭免許
まずは、保育士資格と幼稚園教諭免許の定義を、それぞれ確認しておきます。
保育士資格
保育士資格は、児童福祉法にもとづく国家資格です。
児童福祉法第18条で「登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者」と規定されています。
ポイントは、家庭での保護者による育児に代わって、保育所などの児童福祉施設などで、保育を実施できる資格ということです。
幼稚園教諭
幼稚園教諭免許は、小学校や中学校教諭などと同様に、学校教育法に基づいた幼稚園における教員の免許です。
ポイントは、幼稚園の先生として、園児の教育や保育を担うための免許ということになります。
保育士と幼稚園教諭の違い - まとめ【2019年版】
次に、保育士資格と幼稚園教諭の違いのポイントを、実際に働く場合の立場から考えます。
仕事内容の違い
保育園は保護者が迎えに来るのが夜遅くになる場合もあり、長時間労働になりがちで、長期休暇も取りにくい傾向にあります。
幼稚園教諭は、始業時間や就業時間、年間休日数が平均130日で、休日が定まっている一方、保育士は年間休日数が平均105〜110日。安定した休日の確保も難しい傾向にあります。
ただし、保育士はシフト制で、子育てしながら柔軟に働けるというメリットもあります。
もっとも、基本的にはどちらも日中の子どもたちとの関わりが中心です。
幼稚園でも、保育園のように延長保育や低年齢児の預かり保育を進めているところもあります。
実際には、施設ごとの理念や方針の違いも考慮する必要があります。
キャリアアップの流れ
キャリアアップの流れに、保育園と幼稚園で大きな違いはありません。
保育士は、一般保育士から、職務分野別のリーダーになり、副主任・専門リーダーとなり、さらには主任、園長という順にキャリアアップしていきます。
名称が違うだけで、幼稚園教諭も一般教諭から、若手リーダー、中核・専門リーダー、主幹教諭、副園長・教頭、そして園長という順にキャリアアップします。
給料はどっちが高い?
2019年度の「幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査結果」によると、公立保育所の保育士の平均給与月額は30.3万円(常勤で平均勤続年数が11年)である一方、公立幼稚園教諭は37.8万円(常勤で平均勤続年数が11.1年)と、幼稚園教諭が7.5万円以上高いことが明らかになっています。
ただし、私立幼稚園の教諭については、保育士よりも安いこともあるようです。
保育教諭とは
保育教諭は、保育士資格と幼稚園教諭の免許の両方を持っていて、幼保連携型認定こども園で働く職員のことを言います。
認定こども園とは、保育園と幼稚園の両方の機能を果たす施設のこと。保護者が働いているかどうかにかかわらず、0歳〜満5歳の子どもを預かって、教育や保育を行います。近年急増していて、保育教諭の需要が高まっています。
保育士と幼稚園教諭の違い - Q&A
Q.世間のイメージはどう違う?
A.保育士も幼稚園教諭も、ともに子どもが好きで、やさしく、明るく、面倒見の良い、良いイメージがあります。世間的なイメージに大きな違いはないでしょう。ただ、どちらもイメージが良すぎて、現実とのギャップに悩む場合もあります。
Q.人気のあるのはどっち?
A.保育士の有効求人倍率は高い水準で推移していて、2018年11月は3.20倍(東京では6.44倍)となっています。一方、幼稚園教諭は保育士に比べて、施設数や必要な人数も少なく、深刻な人材不足に至ってはいません。保育士の方が需要の大きさに対して人気がないと言えます。
Q.髪色などの自由度が高いのはどっち?
A.保育士に求められることは、安心・安全な保育です。もちろん園の方針によりますが、あまり極端な髪色でなければ、多少の明るさは問題にならない場合が多いです。髪色自由という園も少なくありません。
一方、幼稚園は教育施設ですので、教育方針によって髪色に厳しい園も少なくありません。
とは言え、これはあくまで一般的傾向で、実際にはその施設の方針次第と言えます。
Q.両方の免許があると、就職先は広がる? 給料は上がる?
A.前述のように、両方の免許があると幼稚園でも保育園でも働けることはもちろん、幼保連携型認定こども園で保育教諭として働くこともできるので、就職先が広がることは間違いありません。
給料については、園ごとの違いが大きく、キャリアアップに有利になることはあっても、免許があるから給料が上がるというわけではないでしょう。ただ、就職先が広がる分、より給料の高い園に就職できる可能性も高まります。
あるある!保育士と幼稚園教諭
共通あるある
・虫への恐怖心がなくなる
虫が大好きな子どもたち。「せんせい、つかまえて」って言われても…。せめて自分でつかまえて!
・園児が家庭の実情を暴露する
各家庭、夫婦のプライベートな話題をあっけらかんと話してしまう子どもたち。親が知ったら赤面ものです。
・園児から風邪をもらって、休みの日がつぶれる
園児から流行の風邪をもらってしまうのみならず、せっかくの休みの日に発熱なんて…。
保育士あるある
・お昼寝中の寝顔に癒される
幼稚園にはなく、保育園にあるのが、お昼寝タイム。
起きている間には園児たちに振り回されていても、お昼寝タイムの天使のような寝顔に癒される保育士さんは多いはず。
・子離れできない保護者に気づく
送迎での保護者との接点の多いのが、保育士の仕事。
いろいろな保護者の姿を見ることもあります。
幼稚園教諭あるある
・夏休みも意外と大変
幼稚園は教育施設なので、夏休みがあります。とはいえ勤務もきちんとありますので、会議や研修、環境整備、イベント準備など意外と忙しいのも現実です。
・園バス当番で車酔い
幼稚園ではたいてい送迎バスがあります。
園バスの当番になると、早起きして、バス車内での名簿のチェック。車酔いしやすい人には鬼門です。
教員免許失効に注意!幼稚園教諭資格は更新しよう
幼稚園教諭資格は、平成21年4月1日から教員免許更新制が導入されています。
平成21年4月以降に取得した幼稚園教諭免許には、10年間という有効期限が定められているので注意しましょう。
更新講習は、有効期間の2年2カ月前から受けることが可能になります。
そして、有効期限の2カ月前までに受講し終えなければなりません。
受講には少なくとも30時間の受講が必要なので、計画的に受講することが必要です。
費用は施設によって異なりますが、3万円程度のところが多いです。
【参考URL】http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/koushin/004/index.htm
保育士が、幼稚園教諭になるには
現在保育士の方で、幼稚園教諭の免許を取得したいという方には、特例制度があります。
文部科学省で、保育士資格を持つ人が幼稚園教諭免許の修得をしやすくする特例制度を実施しています。この特例は令和6年度末まで実施が延長されています。
保育士等としての実務経験が3年(勤務時間の合計が4,320時間以上)あれば、大学等で「教育の方法及び技術」など8単位を修得することで、幼稚園教諭の免許状が取得できます。
また、幼稚園教諭の二種免許状は、幼稚園教員資格認定試験に合格することによっても取得することが可能です。
【参考URL】文部科学省「幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例」
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/1339596.htm
幼稚園教諭が、保育士になるには
現在幼稚園教諭の方で、保育士の資格がとりたいという方にも、特例制度があります。
厚生労働省で、幼稚園教諭免許を持つ人が保育士資格をとりやすくする特例制度を実施しています。こちらも令和6年度末まで実施が延長されています。
幼稚園教諭として3年以上かつ4,320時間以上の実務経験がある方が特例制度の対象になります。
保育士養成施設において、特例教科目「福祉と養護」「乳児保育」など8単位を習得すると、保育士試験の全科目が免除になります。
【参考URL】厚生労働省「幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/hoiku/tokurei.html
まとめ
保育士資格と幼稚園教諭にはさまざまな違いがある一方、近年はそれらの違いが狭まっています。
また、令和6年度までは保育士が幼稚園教諭の免許を取得しやすくする特例制度が利用できます。
・幼稚園教諭の資格を活かせる園で働きたい
・保育士だけど、幼稚園の先生にも興味がある
そんな方は、ぜひ登録してみましょう♪
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