ママから離れられない子に効く!お見送りのコツ
- 保育士お役立ち情報
- 2019/11/21
お見送りで、ママから離れずに子どもが大泣き。保育士もなんだか心が痛むことがありますね。上手なお見送りのコツについて紹介します。
ママから離れられない子の心理「母子分離不安」とは?
幼児がママから離れて不安になることは、「母子分離不安」と呼ばれています。
特に乳児期には、ママがいなくなると泣き叫んだり、姿を探したりします。けれども、ママが戻ってくると、すぐに安心して静かになります。
これは、乳児はママがいなくなると、ママの存在自体がなくなってしまうと考えるためと言われています。
そうした「母子分離不安」は、成長の過程ではごく当たり前のことです。だいたい3歳ごろになると少しずつ消えていくのが一般的です。
なので、お見送りの時間に子どもが号泣しても、それは「母子分離不安」であり、成長の過程で自然なことだと保育士はよく理解しておきましょう。
そして、一番気にしているのは保護者なので、保護者にもきちんと話して、安心させてあげるようにしておきたいですね。
経験からもお分かりかと思いますが、「母子分離不安」には時期として、必ず終わりがあります。
ただ、3歳以降に「母子分離不安」が顕著に現れるのであれば、これはまた別問題の可能性があります。
様々な理由が考えられますが、環境の変化や家庭でのストレスが影響している場合もあります。一時的な場合が多いようですが、家庭と連携しながら対処していきましょう。
お見送り3つのコツ
私の個人的なことでいえば、朝は保育園に自分の子どもを預けてから出勤、それから、勤務する園で担任の子たちを預かっていました。
つまり、保護者のお見送りと保育士のお預かり、両方を毎日経験してきたので、お互いの気持ちがわかります。
その中で気づいたことや保育士ができるお見送りのコツを紹介します。
1.保育士はどっしり構えて、保護者には笑顔になってもらおう
保護者にとっては、お見送りで子どもに泣かれると、何とも言えない罪悪感を感じることがあります。それが長期化すると心が折れそうになることもあるでしょう。
ただし、子どもは親が思っている以上に順応性が高く、強いものです。
お見送りでは大泣きしていても、保護者と離れるとすぐに遊び始めて、しばらくすると保護者のことを思い出す素振りも見せないことを、保育士は、経験上よく知っています。
なので、お見送りの場面では、保育士はどっしりと構えて、「安心してお任せ下さい」という姿勢を崩さないようにしましょう。
後ろ髪を引かれる保護者には、笑顔でお別れができるように支援していくことが大切です。
2.長居せずに、短時間で別れられるように仕向けよう
お見送りの際に、保護者が泣く子を気にしてなだめようとすることがあります。これは逆効果なことがほとんどです。
お別れの時間が長引くことで泣く時間も長くなり、結果として、子どもにも保護者にもストレスがかかります。
保護者には、お見送りの時間は、どんなに泣いていても、時間をかけずに別れてもらうように話しましょう。
3.子どもには 「必ずお迎えに来ること」をしっかり伝えよう
今はママやパパと離れるけれど、必ずお迎えが来るということを保育士は繰り返し子どもに伝えましょう。
時間がかかっても、子どもはやがて自分なりに理解し、見通しを持つことができるようになっていきます。
「母子分離不安」に対する支援は時間がかかります。ただ、必ず成果が出るので、長期にわたって関わる姿勢が重要です。
お見送りは、保護者が子の成長を感じる時間
保護者と話をしていると、「前はお見送りで大泣きしていたのに、今ではウソのように、後ろも見ずにさっさと保育園に入っていく」という話をよく聞きます。
成長を感じるけれど、なんだかちょっと寂しいなんていう保護者もいます。
子どもの成長は目覚ましいので、お見送りでの大泣きが長期にわたる子は稀です。
いつの間にか泣かなくなって、園の生活にすっかり順応していきます。
お見送りでいつも号泣していた子の保護者から「今では、“パパはお仕事!ママはお仕事!○○は保育園!ママ、お仕事がんばってね!”と、保育園に張り切って行くようになりました」と言われたこともあります。
子どもはどんどん変化していきます。
そうした子どもの成長を、お見送りの時間に感じる保護者も多いようです。
なので、現在、お見送りで悩んでいる保護者には、そうした話をしてあげてもいいですね。
まとめ
お見送りでの大泣きは、子どもの成長にとってごく自然なこと。
保育士は保護者の気持ちに寄り添って、上手にお別れができるように仕向けましょう。
わが子の成長を保護者が感じる日が必ず来ます。
ライタープロフィール
玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。
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