賛成?反対?どう思う?保育園の英語教育
- 保育士お役立ち情報
- 2019/11/07
英語を取り入れている保育園が増えてきています。幼児からの早期英語教育には賛否両論ありますが、保育園での英語のあり方について考えました。
保育園での英語教育とは?
ある調査によると、最近では公立保育園の約1割、私立保育園の約3割が英語を取り入れています。
ただ、英語を取り入れている園でも、0歳児に英語の時間があることは少ないようです。一般に、学齢が上がると英語を行うようになり、年長児がピークとなっています。
先生はと言うと、職員ではなく、外部講師が指導している割合が高いことも英語の特徴です。
私自身のことでいえば、勤務する園の年中・年長の英語を担当していました。以前、幼児英語教育の仕事をしていて、ノウハウがあったためです。
保育園で英語を指導しながら、私なりに気づいたことがあります。
それは、「英語教育」と考えずに、子どもたちと楽しく英語で活動しようと考えるほうが、いい結果が出るということです。
思った以上に、子どもたちが英語を楽しんでくれたことは、私にとって驚きでした。
特に、英語の歌の効果は絶大で、英語の時間の後の散歩では、みんなが英語で歌いながら歩き、とてもにぎやかでした。
保育士は早期英語教育について知っておこう
保育園で英語を取り入れることは、早期英語教育にあたります。そのメリット、デメリットについては、色々な意見があるのをご覧になった方も多いと思います。
例えば、「英語は少しでも早く始めたほうがいい」という意見、逆に「幼児期は英語よりも日本語を先に学ぶべきだ」などの対立した意見です。
保育園は英語習得の場ではないので、そうした議論については、完全にあてはまるわけではありません。
それよりも、保育士に必要なのは、子どもたちに英語との「よい出合い」をつくってあげようという姿勢です。
保育園での英語が、子どもたちにとって楽しみな時間になるように工夫していきましょう。それが、最終的には英語の習得にもつながっていきます。
ただ、早期英語教育のメリット・デメリットについては、英語を導入するのであれば、保護者に話せるぐらいのレベルで知っておくべきでしょう。以下に簡単にまとめました。
早期英語教育のメリット
・言語には臨界期があり、幼児期であれば、日本語と同じように英語を吸収できる
・早く始めた方がナチュラルな発音が身につく
・英語への抵抗感が少なく、遊びの感覚で学べる
早期英語教育のデメリット
・日本語の語彙の発達が遅れる可能性がある
・本来、言語習得にはたくさんの時間が必要
英語に接する時間がなくなると、すぐに忘れてしまう
・合わない子どもにとっては、英語嫌いになる可能性も
さらに、自身の言葉で語れるように、インターネットなどで調べてみることをおすすめします。
年齢別の上手な英語の取り入れ方
英語は母語(日本語)の発達と大いに関係していますので、年齢ごとにアプローチが異なります。英語との「よい出合い」をつくるための年齢ごとの工夫ポイントをまとめました。
講師に関しては、英語が苦手な職員が無理して指導するのではなく、外部講師も選択肢に入れてみてください。そのほうが子どもたちにとってプラスになることが多いようです。
【0歳〜1歳】
・聴覚の優れたこの時期には、英語の歌のCDを聴かせてあげましょう。いろいろな種類よりも同じものを何度も聴かせてあげると効果的です。
・英語の絵本を読んであげることもおすすめです。短い言葉で、英語のリズムが感じられる絵本を選びましょう。絵本によっては英語の朗読CDが付いている場合もあります。
【2歳〜3歳】
・英語のCDを聴きながら、一緒に歌ったりダンスをしたりして楽しみましょう。
・インプットの時期にあたっているので、なかなか発話しないからといって不安になる必要はありません。突然英語を話し始めることもよくあります。
・賛否両論ありますが、英語教育用のDVDを観ることも選択肢にしていいかもしれません。ただ観るだけでなく、一緒に歌ったり踊ったりできるような内容がいいでしょう。
【4歳〜5歳】
・ただ英語の歌を楽しむだけでなく、もっと複雑な活動を楽しめる学齢です。
例えば、造形や色塗りなどを交えながら、英語を使った活動を行うといいでしょう。
・文字に対する興味も強くなるので、アルファベットへの意識付けをしていきましょう。その際、まずは大文字からが基本です。
まとめ
保育園での英語のコツは楽しむことです。子どもたちが楽しむためには、保育士もリラックスして楽しんでいなくてはいけません。
教え込むのでなく、一緒に楽しむ姿勢で、英語とのよい出合いの場にしてください。
ライタープロフィール
玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。
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