もう迷わない！保護者との個人面談のコツと注意点

保育士お役立ち情報
2021/09/08

保護者と１対１で話せる個人面談は重要な機会です。スムーズな個人面談の秘訣についてまとめました。

個人面談準備では、原稿を作ろう

保護者と日々顔を合わせていても、面と向かって話す時間はなかなかありません。
個人面談なら個室で話せるので、お互い気になっていたことを話せる貴重な時間になります。
ただし、個人面談には準備が必要です。保育士は面談当日までに、保護者に話すべき内容を必ず用意しておきましょう。
私は、個人面談の前には簡単な原稿を用意していました。
ポイントは「園での様子」「保護者から聞きたい家庭での様子」の2つです。

１．保育園での様子（保育記録を読み返して準備する）

・今、園で夢中になっていること
・生活の様子（活動、友達とのかかわり、給食、午睡など）
・成長が感じられる様子
・気になる様子、保育士による具体的なフォロー

２．保護者から聞きたい家庭での様子

・夢中になっている遊び
・生活の様子（食事、睡眠、歯磨きなど）
・子育てで気になること、悩んでいること

以上のような内容の原稿を用意しておきましょう。当日緊張したり、忘れたりすることなくスムーズに話せます。

当日の話し方のコツと注意点

面談当日、保護者は「子どもの欠点を指摘されるのかな」と緊張しながら来ることもあります。
実際に、個人面談で子どもの欠点をたくさん言われて傷ついたという保護者の声を聞いたこともあります。
気を付けたいのは、個人面談は「ダメ出し」をする場ではないということです。
保護者との関係を築けるように、伝え方に注意をしながら進めましょう。
以下は、当日の話し方の主な流れです。作成した原稿をもとに話します。

注意したいのは、話し込んでしまって時間オーバーになること。保護者も忙しい時間を割いて来ています。時間については気にしながら進行してください。

１．園での様子を伝えることから始める

最初に、子どもの成長の様子を保護者と分かち合うことで、保護者の気持ちをリラックスさせましょう。
園で夢中になっている遊びのこと、成長を感じられる様子を保護者は知りたがっています。
まずは、子どもの良い面を伝えることがポイントです。

２．家庭での様子を聞く

家庭での様子を聞く際には、保護者が話しやすいように「園では〇〇ですが、おうちではどうですか」と聞いてみましょう。

子どもの気になる行動を指摘する際は、そのまま伝えることはおすすめではありません。
例えば「〇〇ちゃんがお片づけをしない時は、『先生のお手伝いをして～』と頼むと、いっしょになって片付けてくれますよ」など、園での対処法を交えながら話します。
ダメ出しにならずに、保護者も参考になります。
そのように、個人面談は、保護者と保育士が情報を共有しながら、子どもの成長につながるヒントを見つける場でもあります。

更に、家庭での様子を聞きながら、保護者の感じる不安や悩み事なども聞いていきましょう。
ただし、発達障害などのセンシティブな問題については、園だけでの対応が難しいことが多く、事前に園長や主任と相談しながら話すようにしてください。

３．園からの連絡を伝え、要望を聞く

園からの連絡が何かある場合は伝えて、最後に、園への要望を聞いておきましょう。
保護者の要望は、書き留めておきましょう。
それだけでなく、面談中、保育士は必ずメモを取って残しておいてください。後で見返すことで、日々の保育に必ず役立ちます。

個人面談の後にすべきこと

個人面談が終わったら、特に伝えるべき内容があれば、園長や主任にすぐに伝えましょう。
特に、自分で対応できない質問や要望については、時間を置かずに伝えて、早めに対応をしましょう。保護者にも好印象を与えて、信頼関係が深まります。

保育士間で情報共有をすべきことは、職員会議などの機会に伝えて、園全体で対応できるようにしましょう。

まとめ

保育士は忙しく、保護者との日ごろのコミュニケーションは希薄になりがちです。
個人面談は、保護者との関係を築くいい機会になります。きちんと準備をして、実のある個人面談にしてください。

ライタープロフィール

玉田　洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。

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