保育士のかかわりが重要!子どものおねしょ対策
- 保育士お役立ち情報
- 2019/08/15
昼寝の時間、いつもおねしょしてしまう子はいませんか? その時、叱るのが正解なのでしょうか。保育士の対応について考えてみました。
おねしょのメカニズムを知っておこう
私の担任していた年長の子で、昼寝の時によくおねしょをしてしまう子がいました。
その子は「先生、おねしょした!」とは言えず、いつも濡れた布団を隠すようにしていました。
同僚の保育士は、それを見て、「またおねしょしたの!」と責めたり、時にはからかうようなことを言いました。
私はそのことが、ずっと気になっていました。
気になっていたことは二つあり、一つは、その子がおねしょを口に出せなかったこと、もう一つは、保育士のからかいについての違和感です。
まず、おねしょの原因について考えてみましょう。
幼児は膀胱に貯められる尿の量が少なく、すぐ容量がオーバーしてしまいます。(ただ、4歳ぐらいには膀胱の容量が増え、おねしょは減っていきます)
昼寝の間、尿が膀胱に貯められる限界を超えると、おしっこが無意識に出てきてしまいます。
この「無意識」がポイントです。膀胱は自律神経に基づいていて、自分ではコントロールできません。
先に述べた子も「気が付いたら、おしっこが出ていた」というのが本音のところではないかと思います。そのことを保育士は知っておいた方がいいと思います。
ここに気をつけたい!おねしょした子への声がけ
では、おねしょをした子には、どう声がけをしたらいいでしょうか。
最近では、おねしょを叱ることは逆効果といわれています。なぜなら、子どもがわざとやっているわけではなく、自分でコントロールできないことを叱っても無意味だからです。
@おねしょは叱らずに、スルーする
子どもを叱ったり、責めたりすることはNGです。からかうのは論外といえます。
おねしょをした当人が十分に傷ついている場合が多く、そこを責めると、子どもの自尊心を傷つけて、強いストレスを与える可能性があります。
ストレスは自律神経に悪影響を与えます。
膀胱は自律神経に基づいていますから、逆におねしょを招いてしまうことすらあるのです。
保育士は「お着替えしようか」「濡れちゃったね」などの言葉をかけて、さりげなくスルーしてあげましょう。
Aおねしょ布団の片づけは速やかに
年長の子がおねしょを口に出せなかったように、子どものプライドとしては、おねしょしたことを誰にも知ってほしくはありません。
なので、「〇〇がおねしょをした!」など大声を出すのはNGです。
おねしょ布団は、速やかに片づけてあげましょう。
その際に嫌な顔をしたり、ため息をついたりもしないほうがいいでしょう。子どもはよく見ているので、注意が必要です。
B頻繁にトイレに誘わない
おねしょをしてしまった子には、つい「おしっこは?」「またおねしょしちゃうよ!」などと日々声をかけてしまいがちです。
ただ、それも子どもにとって大きなストレスになる可能性があります。特別な配慮はしない方が無難です。
おねしょ卒業のためには「あせらず」「しからず」が基本
おねしょは成長と共に必ず卒業していくもの。
保育士は、あせったり、しかったりせずに気長に見守ってあげましょう。
保育士ができることといえば、正しい生活リズムをつくってあげることぐらいです。
それも「早寝・早起き」「十分運動する」など当たり前のことばかり。
保護者と情報を共有しながら、おねしょを自然に卒業するのを待ちましょう。
また、小児科の先生の話によると、おねしょ卒業には個人差があるので、「年下の△△ちゃんのほうが先におねしょを卒業したよ」という声がけにはあまり意味がありません。
あくまで個別対応を心がけましょう。
おねしょ対策グッズとして、「防水シーツ」を使用するのも手です。布団がだめにならずに済みます。保護者と相談して「おねしょ用オムツ」使用も考えてもいいかもしれません。
まとめ
忙しい時に子どもにおねしょをされると、ついカッとなったり、責めたりすることがあるかもしれません。
一旦冷静になって、子どもの気持ちに寄り添ったスマートな対処をしてあげたいですね。
おねしょはメンタルな部分も多いので、保育士はカリカリするのでなく、気長に構えていることが、実はとても重要です。
ライタープロフィール
玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。
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