保育士が仕事と子育てを両立できない理由

子育てをしながら保育士を続けることは難しいのでしょうか。
東京福祉保健局の調査結果によると、子育て中の保育士(配偶者有・子供有)の離職理由は「給料が安い」「仕事量が多い」に次いで、「子育て・家事」が3位(30.9%)。全体平均の7位(17.4%)より1.8倍の高い割合です。
また、(配偶者有・子供無)の女性も3位が「妊娠・出産」で、出産、子育てと保育士の仕事の両立が難しく、保育業界から離れてしまう人が多いことがわかります。

保育士が出産・子育てと仕事の両立ができないのはなぜでしょうか?

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働きたいのに働けない。子育て中の保育士が置かれている厳しい現実

働く意思はあっても、「自分の子どもを預けられない」「子育てと両立できる求人がない」という実態があるようです。

子どもを預ける保育所がない

株式会社ポピンズの調査(厚生労働省委託業務)結果によると、保育士として勤務している人の65.0%は自身の子どもを保育所に預けています。しかし、潜在保育士で預けている人は23.0%で、7割近くが自分自身で子供を見ているという結果。
「子どもを預けられないから、復職できない」という実態があるようです。

現在、妊娠中ですが、産休、育休を取って、仕事を続けたいと思いつつも、自分の子どもが育休明けまでに預けられる所があるかどうかという不安や、出産してからの自分の希望する時間帯の労働だと、働ける所がない。(30〜34歳)
保育士として働きたいのだが、子どもを預ける保育所が少ない事に不安がある。区役所へ聞きに行ったところ、預けられる見込みはないと言われた。(25〜29歳)
結婚、出産準備のため幼稚園教愉を辞めました。是非今度は保育士として働きたいと思っています。まずは自分の子どもを預ける場所の確保、子どもの病気など急な時、仕事を休まなくてはならない時に休めるのか?とか不安ばかりで、なかなか、前にすすめません。(30〜34歳)

子育てと両立できるような時間帯の求人がない

子どもを持つ保育士が勤務できる時間は“保育所に預けられる時間帯”。「子どものお迎えに間に合う時短勤務が希望だが、条件に合う求人がない」あるいは、勤務時間を終えてからお迎えに行くと「2重保育が必要になってしまう」。結果的に、自分の子どもを預ける時間が長いほど保育料が高額になり、保育士の所得では経済的余裕がないといった、悪循環にあるのが現状のようです。

パートなどの時間単位就業の場合、求人が早朝や夜間が多く、子育てをしながら本当に働くことが可能なのかと不安になります。(35〜39歳)
経験がないので、早朝、夜のシフトが絶対条件と言われてしまう。子育てしているのでむずかしいかと思うが不安を相談するところがない(40〜44歳)
自分は20:00まで延長保育をするのに我が子の預け先も20:00までだと迎えに行くことがむずかしく2重保育が必要になってしまうなど、矛盾を感じます。(30〜34歳)

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