保育士も楽しめる♪食育活動 3つのコツ
- 保育士お役立ち情報
- 2019/04/04
保育園の活動に必須になっている「食育」。どうせなら楽しくやりたいですよね。子どもたち、職員、調理員、または外部の方も巻き込んで、取り組んでみることをおすすめします。
保育園の「食育」ってどんなもの?
「先生、今日朝ごはん食べてこなかったんだ!」なんて、子どもの声にハッとしたことはありませんか?家庭での食生活の乱れを感じることが多くなっていますよね。
孤食、偏食、欠食・・・そうした食をめぐる問題が深刻化していく中、2005年に食育基本法が制定されたのはご存知でしょうか?
保育園でも、2009年には保育所保育指針で「食育の推進」という項目が初めて定められました。今では、多くの園が食育年間計画を作り、様々な食育活動を行っていますよね。
とはいえ、保育園が目指す食育がどんなものか、なかなかイメージしづらいこともあります。
参考に「保育所における食育に関する指針」(厚生労働省)を見ると、以下のような「子ども像」の実現を目指して、食育を行うとされています。
A 食べたいもの、好きなものが増える子ども
B 一緒に食べたい人がいる子ども
C 食事づくり、準備にかかわる子ども
D 食べものを話題にする子ども
どうでしょう。こうした子どもたちの姿を想像することで、食育の目指す姿が少しリアルに感じられてくるかと思います。
食育活動 3つのコツ
実際に、保育園で食育活動を進めていく時のポイントを紹介します。食べることが嫌いな人はあまりいませんから、食育活動は色々な人を巻き込みやすいですね。
私も担当になった時には、調理員や保護者といっしょになって「ピザづくり体験」を実施しました。結果、関わった全員が楽しめる内容になり、毎年の定番になりました。
もしあなたが担当になったら、皆のアイディアを活かして、実のあるものにしていきたいですね。
食育というと、幼児クラスが主になるイメージですが、乳児でも参加できる活動があります。 例えば、野菜栽培というテーマで考えてみましょう。
0歳児は、育った野菜に触ってみる。1歳児は野菜を水洗いをする。2歳児は水やりを手伝うなどです。発達段階に合わせた活動を担任と相談しながら考えていきましょう。
2. 調理員、栄養士も主役にする
普段は「縁の下の力持ち」の調理員、栄養士ですが、食育活動では表に立って色々と動いてもらいましょう。 「調理員や栄養士からアイディアを出してもらう」のがポイントです。“作戦会議”と称して、色々な試作をして(もちろん試食も)、子どもたちをびっくりさせるような食育活動を考えてみても楽しいですね。
3.町の人や外部講師を入れると、広がりが出る
依頼するとお金がかかると敬遠しがちですが、知人から外部講師を招いたり、近所に協力を依頼してみるなどをおすすめします。保育園だけでは実現できない企画になります。
以前、「流しそうめん」を企画した時も、近所の皆さんが張り切って準備してくれて、竹を使った立派な流しそうめんを園庭で実現することができました。
食育活動は「農業」と「クッキング」がメイン
保育園の食育活動は、主に「農業体験」と「クッキング体験」が多く、その組み合わせであることがほとんどです。その中でも、参考になる活動を二つご紹介します。
【J保育園(福岡県)】
この保育園では園庭が狭いため畑がなく、JAの土地に畑を借りています。なので、JAが全面協力する形で、サツマイモを育てています。
農業後継者の方が先生となり、分かりやすく作業の仕方を実演。プロならではの指導で、収穫もたくさんできたようです。こうした関わり方は、園庭のない園のヒントになりますね。
【H保育園(鹿児島県)】
通常、園児には料理の一部を行わせますが、この保育園では最初から最後まで園児が料理をします。2歳児以上は包丁で野菜を切ることができ、卒園までには魚をさばいたり、揚げ物もできるようになるそうだから驚きですね。
卒園前には、45食分のランチをつくり、「レストラン」を開いて、保護者などのお客さんをもてなすそうです。
「食べることは生きること」といわれるように、子どもの育ちに食のテーマは外せません。
色々と工夫して、子どもたちには記憶に残るような食育体験をさせてあげたいですね。
ライタープロフィール
玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。
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