気が付いたら危険領域!?保育士のストレス対策
- 保育士のホンネ
- 2019/02/14
保育士はストレスのたまりやすい職場といわれています。職場でのストレス対策、自分でできるストレスとの向き合い方についてまとめました。
調査からもわかった、保育士の高いストレス
日々、色々とストレスの多い保育士の職場。保育士の皆さんがストレスを感じるポイントは一般的に以下の3つが挙げられます。
・職場の人間関係
・給料など待遇面の不満
いずれも保育士ならではの環境で、身に覚えのある方も多いですよね。さらに、最近の厚生労働省調査からも、保育士が強いストレスを抱えていることマ>がデータで明らかになっています。
具体的には調査した保育所の約27%で、メンタルヘルスケアが必要、もしくは実際に治療を受けた保育士が1人以上いたそうです。この数字をわかりやすく換算すると、「大体4施設に1つの割合」といえます。
そうしたストレスの多い保育士が、なんと5人以上いる保育所も8施設あったようで、かなり危険領域な職場も存在しているようなのです。あなたの職場はいかがでしょうか?
ストレスがたまっていくと、身体症状はもちろん、知らない間にうつ症状やパニック症状にもつながっていく可能性があります。
保育士も、職場ぐるみでメンタルヘルスケアが必要
「ストレスチェック」マ>という言葉をご存知でしょうか。ストレスチェック制度とは、メンタルヘルス不調を未然に防ぐ目的で2015年12月に開始されました。この制度は保育所も対象です。
従業員50人以上の企業では、1年に1回ストレスチェックが義務化されているので、受けたことのある方はいると思います。
職場でストレスチェックを受けることのメリットは、二つあります。一つは「自身のストレスが明確になること」マ>です。もう一つは、ストレスを生む環境は、個人の問題でなく「職場の問題」マ>だと知らせることができます。
そうすることで、職場ぐるみでメンタルヘルスケアを進めていくことができるのです。それが保育士が長く健康に働き続ける環境づくりにもつながっていきます。
ただし、小規模な保育所は対象外となるため、予算がないという理由でストレスチェックをしていない保育所もあります。前掲の調査でもストレスチェック実施予定がない保育所が31%もありました。
ストレスチェックが義務化されていない職場でも、助成金を活用してストレスチェックを実施することができます。導入を検討したい場合には「独立行政法人 労働健康福祉機構」に問い合わせてみましょう。職員会議などで議題として導入の検討をおすすめします。
自分で出来るストレス対策は?
職場でのメンタルヘルスケアについてお伝えしましたが、「まだまだ体制が整っていないし、整うまで待っていられない!」というのが、現状ではないでしょうか。
自分で出来るストレス対策についても紹介します。まず知っておきたいのは、保育士は「感情労働」マ>と呼ばれていることです。
「感情労働」とはどんなものでしょうか。保育士は日々、感情を上手に管理して、子どもたちのために適切な言葉、表情、態度で接するように求められています。そうした仕事のことを肉体労働、頭脳労働に次いで、「感情労働」と呼ぶのです。そして、「感情労働」では、独特のストレスが発生しやすいと言われています。
感情労働のストレス解消法としては、第一に「仕事を忘れる時間をつくる」ことです。
仕事をしているときのように感情を抑制しないことが最も重要なのです。ストレス解消には、たとえば以下のようなことが考えられます。
・趣味に没頭する
・ゆっくり休養する
感情労働につく人は、オンとオフのメリハリをつけることが、他の職業の人たちよりも重要になると言われています。
つまり「自分の好きなことを、思い切り楽しみ、仕事のことは考えない!」というのが、保育士のストレス解消におすすめのやり方だということです。
まとめ
保育士を長く健康に続けていく秘訣は、職場でメンタルヘルスケアを進める、自分でセルフケアする、その二つのようです。両方うまく使いながら、ストレスをため込まないようにしたいですね。
ライタープロフィール
玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。
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