現役キャリアカウンセラーに聞きました!【2】〜保育士が給与アップするために必要なこととは?〜
- 保育インタビュー
- 2014/11/04
「業務内容が賃金に見合わない」といった理由から、待遇改善が急務とされている保育士。
もちろん全体的な底上げは必要ですが、給与アップをするために保育士一人ひとりができることはないのでしょうか?
そこで今回は『現役キャリアカウンセラーに聞きました!シリーズ』第2弾として、保育の求人情報サイト「保育士.net」で年間250人以上の保育士や保育士志望者と面談しているキャリアカウンセラーSさんに、給与アップのために保育士がすべきことについて伺いました!
(前回の記事:現役キャリアカウンセラーに聞きました!【1】〜今求められている保育士とは?〜)
給与アップしたいなら目指すは園長!「調整力」を磨くべし
Q.給与を上げるために必要なこととは何でしょうか?
保育園は通常の企業のように、様々なポストや段階的に給与が上がっていく仕組みがないので、給与をアップさせたかったら主任や園長などの役職に就く必要があります。役職に就くためには、主任だったら5年以上、園長だったら10年以上の経験が欲しいですね。
Q.どんなことを意識して経験を積むとよいですか?求められるスキルは何でしょうか?
もちろん子どもに対する指導能力や、保護者との関係性を構築する能力は必須です。しかし役職、特に園長になるためには、運営する会社と現場で働く保育士の間に立つ「調整力」が必要となってきます。
Q.「調整力」とはどういった場面で必要となるのでしょうか?
例えば最近、保育園経営に乗り出す株式会社が増えてきています。会社側は保育に関わった経験がないため、保育の現場に対する理解が足らずに保育士の不満が溜まってしまうことがあります。そんな時園長は、保育士の意見をくみ取って運営側に上げること、そして運営側の意図を上手く保育士に伝えることが求められます。しかし実際は、園長が完全に保育士側についてしまい「運営会社VS保育園」の対立になってしまうことが多いようです。運営会社と対立していたのでは、保育士も気持ちよく働くことができないですし、子どもにも影響がでてきてしまいますよね。園長は上手く両者の間に立てる調整力・バランス感覚が必要だと思います。
また、最近騒音問題で近隣住民の方とトラブルになるケースが出てきています。(そもそも住民の方との理解が得られず保育園が建てられない事例もあります。)保育園の現場責任者である園長は、そうしたトラブルが起こった際も、住民との関係修復が図る必要があるのではないでしょうか。そういった場合も、保育園側だけにたつのではなく、住民の立場も理解し、お互いの妥協点を探っていく「調整力」が必要です。
Q.給与アップを目指す方に対して一言お願いします!
保育士をしていると、子どもや保護者、保育士同士の関係性に目が行きがちですよね。しかし園長になるのであれば、先程お話ししたように「運営会社」や「近隣住民」など保育園に関わる様々な立場の方がいることを理解し、経験を積んでいってほしいと思います。
―ありがとうございました!
編集部より
保育士が給与をアップさせるには、現状だと主任や園長などに昇格するしか道はなさそうです。本当は現場で働く保育士が業務内容に見合った給与が受け取れるよう、政府が待遇改善に努めたり、企業や法人が給与体系を整備することが望ましいのですが、まだまだ時間がかかるでしょう。「ずっと保育業務に携わりたい」と考えている方は、最終的に園長になることを目指して、自分の経験やスキルを見直し、キャリアプランを立てるのが良いのではないでしょうか。
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