「園長」の働き方の違い/社会福祉法人と株式会社

園長と一言で言っても社会福祉法人が運営する保育園の園長もいれば株式会社設立の保育園の園長もいます。同じ園長でも運営母体が異なることで園長の役割はどのように違うのでしょうか。社会福祉法人の場合、園長は「職員」、株式会社の場合は「社員」と呼び方も異なります。私が過去に社会福祉法人と株式会社で保育士、園長として勤務し、その時どう感じたか、皆さんに実際の例や経験を交えてお伝えしたいと思います。

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社会福祉法人の園長は地域貢献の立役者

同じ園長でも社会福祉法人の園長は社会福祉事業を行うことを目的とした法人のため、地域貢献や社会奉仕を求められており、何より地域に開かれた保育園を目指します。
一言で地域に開かれたといってもたくさんありますが、私が以前勤めていた社会福祉法人の施設では家庭での子育てを支援するために親子ひろばを開きその中で読み聞かせの会、子育て相談などを行っていました。
そういった取り組みに対しリーダーとして関わっていくのが園長です。地域で子育てするお子さんの支援はとても幅広いです。孤独な子育てを防ぐため、悩みを聞き、若いお母さんたちに寄り添います。
こんなエピソードがありました。
親子ひろばでは希望する方に身体測定を行っているのですが、ある若いお母さんがお子さんの身体測定を希望されました。そのお母さんが測定中、園長に対して身長体重の伸びが悪く、夜泣きもあり、それを小児科医に言っても様子を見ましょうとしか言われず、悩んでいると話し始めました。その時、園長はそのお母さんの目を見ながら子育ての悩みをじっくり聞き、今後も親子ひろばに遊びに来るように促しました。そのお母さんはその後、頻繁に親子ひろばを利用し、そこでお母さん仲間もでき、少しずつ子育てに自信ができてきたように見えました。このような小さな声掛けが地域のお母さんたちの支援につながるのです。
社会福祉法人の園長はこのような支援をすることも大切な仕事なのです。


株式会社の園長は新しい保育の実践者

株式会社が保育園を設立できるようになったのは2000年の保育に関する規制緩和が行われてからです。それまでは保育園運営は自治体と社会福祉法人にしか許されていませんでした。
それゆえ株式会社の保育園は自治体や社会福祉法人の保育園に比べればまだ歴史は浅いかもしれません。株式会社が運営する保育園の園長はそんな新しい環境での保育のパイオニア的存在なのです。
株式会社が運営する保育園は今までにない保育内容で特色を出している園が多くあります。外国の保育方針を取り入れている園もあれば、給食に特色を出している園もあります。
そのような新しい保育方針の実践を行う園のリーダーを取るのが株式会社の園長です。
新しい保育方針は保育する側にとっても手探りで行うことも多く、クラス担任から保育の方法や悩みなどの相談を受けることもあります。そんな時に現場に混乱が起きないようアドバイスをし、一緒に問題解決法を模索します。
株式会社の保育園は開園しての年月が浅い園もあり、行事などのノウハウが無い園もあるかもしれません。そんな歴史の浅い保育園の運営を円滑に行う難しさもありますが逆にやりがいもあります。
保育の道なき道を作り、新しい歴史を作って行くことが株式会社の保育園の役割であり、それを統括するのが園長だと思います。


最後に

園長は運営母体と連携を取りながら、スタッフと共に園児たちの楽しく安全な園生活を保証し、保護者の方々、地域の皆さんとの関わりを大切にしていることは間違いありません。
いろんな運営母体で働く園長の皆さんには互いの立場を尊重しながら切磋琢磨して頂き、今後も保育の質を高めるために尽力していただきたいと思います。

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ライタープロフィール

白川佳代さん
保育士歴10年以上。自身の子育て経験を生かし、新卒保育士や子育てに悩む保護者の相談業務にも多く携わる。現在は認可保育園の園長。

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