保育士だって一人のお母さん。仕事と家庭、両立させてきてよかった!
- 保育士のホンネ
- 2017/05/01
待機児童が社会問題になっていますが、その原因の1つに保育士不足があげられています。
なぜ保育士不足かというと、重労働のわりに賃金が見合ってないことや、長時間労働の問題が背景となっています。そんな厳しい労働環境である保育園で子どものいる保育士が働くことがどれほど大変なものか。私も2人の子どもを抱え保育士として働き、辛い思いもしましたが、逆に保育園という職場だったからこそ仕事と子育てが両立できたという経験もしました。
子育て真っ最中のお母さん保育士さんと現場に戻ろうか考え中の潜在保育士さんへ、私がどのように保育士の仕事と子育てを両立してきたのか実体験をお伝えしたいと思います。
白川佳代さん。保育士歴10年。社会福祉法人、株式会社、NPO法人と異なる運営主体での勤務を経験。
☆今回は、子育てと保育士を両立するコツやメリットをうかがいました。
保育士はシフト制勤務だからこそ融通が利く場合も多かった
お母さん保育士の場合、悩みの一つに「早番・遅番」が回ってくることではないでしょうか?
自分の子が保育園児の場合、早番で勤務するなら、自分の子を預ける保育園は開園していません。もちろん遅番の場合はその逆で退勤後だと保育園は閉園しています。私の場合は夫と協力しながら早番の日は送りを担当してもらい、遅番の日はお迎えを担当してもらいました。そしてどうしても夫の送り迎えが難しい場合は、勤務する保育園にお願いし、他の保育士に早番と遅番を交代してもらい融通を利かせてもらいました。
私が子育てをしていた頃は時間固定保育士がまだ浸透していませんでしたが、最近は勤務時間が固定され、早番と遅番のシフトに入らない保育士の募集も多くありますし、時短勤務制度を導入している保育園もあります。以前よりお母さん保育士が活躍できる場が増え働きやすい環境になったと思います。
保育園の保護者も私も同じワーキングマザー
お迎え時に、保護者の方と子育てや夕飯支度の話をよくしていました。もちろん、園児たちのその日あった出来事をきちんとお話しした後ですが。
保育園に子どもを預ける理由が就労だけとは限りません。中にはご家族の介護やご病気などの事情で預けている方もいらっしゃいます。しかし、共通していたのは同じ母親同士。
母親同士だからこそ共感し合える子育ての悩みもあり、私から「私の子どももそんな時がありました」とか「仕事は保育士ですが、いざ自分の子育てになると迷うこともありますよ」と実体験を話すこともありましたし、保護者の方から「仕事と子育てを両立させていると社会に関わっている気がして楽しい」とお話ししてくださることもありました。保育園の先生と保護者という関係ではありましたが、もう1つ、子育て中の母親同士というお互いを励まし合える関係も作れたように感じ嬉しかったです。
私も保育園で成長できた!
自分の子を他の園に預けて自分は他の園児を保育していることに矛盾を感じる方がいると思います。
私の場合は他の子を保育して自分の子と離れる時間があるからこそ、お迎え時には心から愛情を込めて抱きしめることができました。保育士として勤務中、集団の中で頑張っている園児達を見て、「自分の子も保育園で集団生活を頑張っているのだから今日はお迎えの時には思いっきり抱っこしてあげよう!」と、自分の子を思い出した時もありました。
よく他のお母さん達から私の職業が保育士だと言うと子育ては完璧にできるのでは?と誤解されることがあります。そんなことはありません!保育士だって一人のお母さんとして迷ったり悩んだり、日々子育てに悪戦苦闘しているのです。朝の忙しい時間に甘えられてイライラして当たってしまい、そのまま保育園に送り届けた自分を責めたこともありました。
子育てと仕事の両立は大変なことばかりではありません。収入やキャリアもそうですが、何より自分自身が母親として、社会人として成長できているという実感が湧くことです。子育て中から働くことでキャリアが途切れることなく子育て後も社会に関わり続けていられます。
今では心から子育て中のお母さんたちを応援したいと思える余裕もできましたし、私が子育て中に助けてくださった多くの方々に対して感謝の気持ちでいっぱいです。
\このページをシェアする/