辛いときは試してみて!保育士の感情コントロール方法
- 保育士お役立ち情報
- 2016/08/12
子どもや同僚、先輩や保護者etc...様々な人と接している保育士は、「イラッ」とすることがどうしても多いのではないでしょうか。その感情に飲み込まれてしまうと、最終的には仕事自体が嫌になってしまうかもしれません。感情に振り回されず、長く仕事を続けられるよう「感情コントロール方法」をご紹介します。
理不尽な状況にさらされがち…そんな保育士に欠かせないのが『感情コントロール』
保護者から理不尽な怒りをぶつけられた、子どものトラブルが頻発している、先輩保育士から厳しい指導を受けた…感情労働といわれる保育士は、負の感情が刺激される状況に陥りがちです。そんなネガティブな状況でも、感情をコントロールし、イライラや怒り感情に振り回されない「しなやかな心を創る」方法を身に付けることができれば、保育士はより働きやすくなるでしょう。
負の感情が湧いたら試してみて!3つのポイント
6秒待つ 〜衝動のコントロールをしよう〜
怒りのピークは長くて6秒。腹が立ったときは「6秒」ストップしましょう。「反射的に言い返さない。やり返さない。」を意識することで後悔する怒り方は確実に減ってきます。腹が立っている出来事から意識をそらしてゆっくり深呼吸をしてみましょう。鼻からゆっくり息を吸って口からゆっくり吐き切ります。3回くらい繰り返しましょう。1番初めにすることは、衝動のコントロールです。
「べき」の境界線 〜思考のコントロールをしよう〜
あなたが保育する時、何を大切にしていますか?その保育を否定されたとき、もしくは意思に反した保育を強要された時、イラッとくることはありませんか?それは、あなたにとって大切な「べき」が思い通りにならないからなのです。「保育とはこうあるべき」「クラス運営とはこうあるべき」といった、あなたの中にある「〇〇するべき」「〇〇するべきでない」があなたの怒りの正体なのです。
ここで考えてほしいのは、あなたにとっては当然の「べき」でも相手にとっては当然でないこと。世の中にはいろんな「べき」があるのです。子どもには子どもの、保護者には保護者の、園長には園長の、同僚には同僚の「べき」があって当然なのです。一度自分の中の「べき」を、本当に譲れないものなのか仕分け、境界線を引いてみましょう。そして、「譲れること」に仕分けたものにはイライラしない、怒らない。「これは絶対譲れない」と思ったものには怒るようにしましょう。
自分の「べき」を押し通し、自分と違う「べき」を全てNGにしてしまうと、心は折れてしまいます。「ま、いっか」「これぐらいはOK」と、許容できるものは許容する努力をしましょう。
分かれ道 〜行動のコントロールをしよう〜
楽しみにしていた遠足の日、雨が降ってしまいました。その時あなたはどう思いますか?悲しくなったり、準備が台無しだと腹を立ててしまうかもしれませんね。でも、最終的には「仕方がない」と事実を受け入れるのではないでしょうか?それは自分の力では、天候は変えられないと知っているからです。
行動のコントロールでは、怒りの原因となる出来事や状況を、自分が行動することで「変えられるか」「変えられないか」の2つに分けて考えていきます。
例えば、クレーマーの保護者は、変えられるでしょうか?変えられないでしょうか?あなたが「変えられる」と思うのであれば、「いつ」・「どうやって」・「どの程度」変えていくのかを具体的に考えましょう。「いつ?…朝の時間をさけ、ゆったりお迎えに来ている日」・「どうやって?…信頼関係を築くため、とにかく子どもの良いところをお伝えしていく」・「どの程度?…まずは少しでも話を聞いてもらえるように」そんなスモールステップでOKです。具体的にどう変えていくのかを明確にし、行動していきましょう。
「変えられない」に分類した場合は、現実を受け止め、イライラしないための対処法を考えましょう。つまり、自分で変えられないと思っている出来事に対して、イライラしたり落ち込んだりしないということ。例えば「クレームを言われている時、保護者の顔の黒子の数を数える」・「クレームを言われた日の晩はカラオケに行く」など、その時できる対処法をとることで自分の心を守ってください。世の中、自分ではどうしようもないことも沢山あるんです。全てに真正面からぶつかってしまうと、いくつ心があっても足りません。
上記でお伝えした方法を活用して、柔軟な心を創っていってください。 そして、保育士が感情をコントロールできるようになることが、 子ども達の感情教育の第一歩につながるのです。 諦めず、続けていくことで必ず身についていきますよ。
筆者プロフィール
野村恵里(
colorful comunications代表)
現場経験20年の元公立保育園保育士。保育士研修や教員研修などで、感情コントロール方法(アンガーマネジメント)について積極的に講演を実施。保育士の折れない心創りをサポートし、保育&子育ての現場をHappy&colorfulにするため活動を行っている。
保育士養成校の専任講師として、保護者支援のためのコミュニケーション法について講義も務める。
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