低賃金だけじゃない「現役保育士が抱える不満」
- 保育士のホンネ
- 2016/06/17
現役保育士100名を対象に、「現在の仕事(職場)に対する不満は?」をアンケートで聞いたところ、「業務量や勤務時間に関連する不満(計22%)」や、「昇進昇級の道筋がみえない」など、「給料」以外にも現役保育士は大きな不満を抱えているいことが明らかになりました。
現役保育士から寄せられた「不満の声」をもとに、今後の職場選びに役立てるポイントをまとめました。
現役保育士が抱える不満(1):給料の低さ
単に金額の低さが不満なのではない!
現役保育士が抱える不満の1位は「給与の低さ」(41%)。ただし、単に金額の低さを訴えるものでなく、「仕事量や残業時間、責任の重さに対して給料が見合っていない」という意見が圧倒的でした。
・シフトの多さ、勤務時間〔休憩時間がないので実質9時間労働〕、業務量の多さ、残業の多さ〔持ち帰り〕に対して給与が反映されていない。
責任に給料が見合ってない。
・人様のお子さんの命を預かる仕事で重い責任があるが、この部分だけでも給料が低すぎると感じる。
保育士の職場選びでチェックすべきポイント(1)
・保育士の賃金アップの取り組みをしているか
国は「保育士の賃金改善」のための補助金制度を施行していますが、これを導入し、実際に保育士の給与に還元するかどうかは自治体や保育園の取り組み次第です。入園する際に、直近で賃金upの実績があったかどうか確認しましょう。
現役保育士が抱える不満(2):業務量や残業の多さ
あと一人保育士がいれば落ち着いた保育ができるのに・・・
制度で決められた最小限の人数で運営しているなど、人材の不足する保育園でこのような不満があるようです。また、書類など保育以外の業務が負担に感じている保育士が多数。「保育士の充足」「業務効率化」といった課題が浮き彫りとなりました。
定時で帰れることは奇跡。保育中はできない書類業務は、到底勤務時間内に終えられる量ではありません。また、土曜日の振休もないので少ない月は5日のみ。
・保育士が足りていない
仕事量が多すぎる。法律的にはギリギリの人数。あと一人多いくらいで落ち着いた保育ができるのに、人が足りず回ってこない。
保育士の職場選びでチェックすべきポイント(2)
・保育士が働く環境改善に対する取り組みを行っているか
ゆとりある保育ができるよう、保育士を採用して「保育士の充足」させているか、園全体で「業務効率化」に取り組んでいるか(例えば、負担となっている書類業務のIT化、役割分担など)、要チェックです。
現役保育士が抱える不満(3):将来への展望・昇進昇級の道筋がみえない
キャリアアップの道筋が不透明
社会福祉法人の一部で、理事長の一存で方針が決まる、つまり「評価、昇給が制度として体系化されていない」状態の園も未だ多くあります。保育士一人ひとりの頑張りが適正に評価され、キャリアアップしていけるのか、「将来が不安」という声が多く聞かれました。
・結婚出産後の仕事復帰の困難さ。
・パートや臨時職員だった経歴を加算して貰えず、新卒と変わらない月給でスタート。一人で生活していけない程の給与では、将来も心配になる。昇給は1年で2000円しか上がらない。
保育士の職場選びでチェックすべきポイント(3)
・適正に人事評価され、キャリアアップしていける制度があるか
理事長の一存などではなく、客観的に適正な評価がされるような「人事評価制度」「昇給制度」を積極導入している保育園は、長く働くことができるでしょう。
現役保育士が抱える不満(4):職場の園長や上司のマネジメント力
園長がリーダーシップをとれていない
「職場の働きやすさは、園長先生で決まる」とも言われています。その園長先生が役割を果たせる環境や人柄によって、そこで働く保育士がやりがいを持って働けるかどうかも左右されるようです。
社会福祉法人の認可園で働いていますが、理事長のワンマン経営で保護者からのクレームや要望などがあっても一切応じない姿に働く気も失せてしまっています。園長も理事長の顔色をいつも伺って理事長の意見に従うばかりで園の環境が改善しません。そんな状況なので入ったばかりの保育士もすぐに辞めてしまう状況に不満をもっています。
保育士の職場選びでチェックすべきポイント(4)
・どのような人が職場のリーダーか
本来は園長がリーダーとなり、保育士の声を聞きながら、子どものためにより良い園づくりをしていくのが理想です。「どのような人が園長か」は、出来る限り直接会って、確認しておきたいですね。
参考記事
「入社前に保育園の人間関係をチェックする方法」
「園長先生に求められる考え方、行動とは?」
「残業なし、希望休OK!保育士が働きやすい園をつくるために」
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