「手遊び歌」の効果を最大限引き出す!ねらいと実施時のコツを紹介します

普段何気なく遊んでいる「手遊び歌」。実は子どもの成長をサポートするたくさんの仕掛けが隠されていることをご存知でしたか?今回は「ギフト教育ラボ」でトレーナーを務める幼児教育のプロ、元吉祐里先生に、手遊び歌の「狙い」と効果を高めるためのコツについて伺いました。

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手遊び歌に込められた「狙い」と、効果を高めるコツ

手遊び歌の効果を最大限引き出すためには、「狙い」を理解したうえで行うことが重要です。そこで、保育士さんにもなじみ深い『ワニの家族』、『パン屋さんにおかいもの』、『一本橋こしょこしょ』、『むすんでひらいて』の4曲をピックアップ!「狙い」と、効果を高めるコツをまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

ワニの家族

ねらい@:肩やひじを大きく動かし、指先の発達を促す

コツ1:「お口をあ〜け〜て〜」の部分で肩甲骨から大きく動かしましょう!

コツ2:「泳いでい〜ま〜す〜」の部分でひじを大きく回しましょう!

人間は、おへそを中心にし、外側へ発達していくため、「肩」⇒「ひじ」⇒「指先」の順番で機能が育つといわれています。肩とひじの可動域があがらなければ、指先を器用に使うこともできないんですね。『ワニの家族』では、普段の生活であまり動かすことのない肩甲骨やひじを思い切り使えますので、肩・ひじの可動域を広げ、指先の機能を育てることができます。

ねらいA:ひじを大きく動かし、胸筋を鍛える

コツ2:「泳いでい〜ま〜す〜」の部分でひじを大きく回しましょう!

ひじを大きく動かすと、指先の発達を促すだけでなく胸筋も鍛えることができます。胸筋が育てば肺活量が上がるため、走り回っても息がきれにくい運動のできる子に♪

パン屋さんにおかいもの

ねらい@:表情筋を鍛える!

コツ1:照れずにオーバーに表情をつくりましょう!

現代は「無表情」な子どもが増えていると思います。楽しいときや嬉しい時に笑顔になれない、悲しい時に悲しい表情ができないetc…それは表情筋が鍛えられていないからです。表情で周囲に感情を伝えられるというのは、人間関係を円滑にする上でとても重要なこと。『パン屋さんにおかいもの』は、色々な顔をつくることで表情筋を鍛えられる構成になっています。実践の際は恥ずかしがらず、思い切り表情をつくってくださいね。

一本橋こしょこしょ

ねらい@:数の概念が理解できるようになる

コツ1:指を見せる時は、両手を使わない!(1本指を両手で見せたら、「2本」になります)

指というのは、一番身近にある「数字」を理解するためのツール。「2本指〜」「3本指〜」と増やしていけば、1〜5までの数を自然と見せることができます。「5と1をあわせると6」など「5とその他の数」という概念が分かると、「繰り上がり」「繰り下がり」の計算が理解しやすくなるため、のちのち役に立ちます。

ねらいA:後におこることを「予測」する力をつける

コツ2:「階段のぼって〜」の部分で「くるぞくるそ」という期待をあおりましょう

何度も遊んでいると、「階段のぼって〜」の段階で笑えるようになります。これは、次にくる「こしょこしょ」が予測できるようになるから。この「Aの次にBがくる」と予測する力、予期反応というのは生活の中できわめて重要です。例えば「車がたくさん走っている」⇒「ひかれるかもしれないから走らないようにしよう」といったように命にかかわる予測もたてられるようになりますし、「明日は国語の授業がある」⇒「必要な教科書を準備しよう」といったようにスムーズ日常生活を送るための用意もできます。大人になれば「A⇒B」といった単純な予測だけでなく、「A⇒D」といった先の先まで見通し、逆算して準備することが求められますよね。そんな力も手遊びで育てていくことができるんですよ。

ねらいB:「決める力」を養う

コツ3:「こしょこしょ」の前で止まります

『一本ばしこしょこしょ』を続けていると、予期反応がどんどん育つので、「一本橋〜」と指を出すだけで笑えるようになります。しかしそのまま遊び続けると子ども達は飽きてしまうので、次の段階に移りましょう。「階段上って〜」のあとに「こしょこしょ〜」と流れるのではなく「くすぐっていい?」と聞いてみてください。次にどうするか子どもに判断をゆだねるんです。今、「どっちでもいいよ」という子が増えていますよね。子どものころは大人が決めてくれるのでそれでも良いかもしれません。しかし成長するにつれて判断を求められる機会は増えてきます。その時に困らないよう、小さいころから「決める力」を養ってあげましょう。

むすんでひらいて

ねらい@:指の分離を促す

コツ1:1本1本大きく開きましょう

乳幼児の手は育ち切っておらず、いわば動物の前足の段階。1本1本分離させて人間の指に育てていく必要があります。この第一段階が「ぐー」「ぱー」の動きです。指の分離がうまくいくと、お箸やえんぴつなどを上手に使える子になります。

ねらいA:目に見えない概念や、対の概念が理解できる

コツ2:「その手を上に〜」わかりやすいよう大きく動きましょう

1番では「その手を上に〜」で手を上にばんざい、2番では「その手を下に〜」で手を下します。手遊び歌を通じて「上」と「下」という概念、そして「上の反対は下」、「下の反対は下」という「対」の概念を知ることができます。他にも「その手を右に」「左に」とすれば「左右」を理解できますし、「その手を頭に」「ひざに」とアレンジすると、体の名称を覚えることもできます。ぜひ色々工夫してみてください。

取材協力

ギフト教育ラボ
ギフト教育ラボでは、乳幼児の「学習能力」「感性」「身体能力」を育てるため、 脳科学者、臨床心理士、スポーツトレーナー、行動科学研究所などと共同開発したメソッドを学べる講座を運営しています。 声掛けや手遊び歌など、育児やお遊戯などの効果効能が科学的根拠により理解できる、 今までになかった「日本初」のカリキュラムです。

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