保育士を悩ますクレーム対応。こんな時どうすれば?保護者クレーム対応編
- 保育士お役立ち情報
- 2015/11/24
保育士をしていると避けて通れないのが、「保護者からのクレーム」。今回は、誰でも一度は経験のありそうな“あるあるクレーム”の対応方法をご紹介します!
CASE1.特定の子とのトラブルに関するクレーム
集団生活において、トラブルは必ず起こります。そのトラブルも“いつも同じ子とばかり”ということも少なくありません。
「いつも○○君が叩いてくる」、「また○○ちゃんが意地悪言ってきた」など、子どもから頻繁に同じ子の名前が出てくると、保護者も相手に対する不満や嫌悪感を持つようになります。
すると最終的に、「次のクラス替えでは○○くんと違うクラスにしてください」、「毎日意地悪されると言っているので、○○ちゃんと席を離してもらえませんか」といったクレームが出てきてしまいます。
ではそんなクレームにはどのように対処すれば良いのでしょうか?
クレームがきた時は、まず最後まで話を聞く!これが鉄則です。その後、日頃の子どもの様子を伝えます。確かにトラブルが多発していたり、嫌な思いをしている様子が見受けられる時は、正直に話しましょう。しかし、クラスや席を変えることは根本的な問題解決にはなりません。
ですから基本、クラスを離すことや席を変えることに関しては『NO』です。
それは、今起きているトラブルこそが、人の痛みを知ったり、嫌な事を乗り越えて強さを身に付けたりするための大事なきっかけとなるからなんです。
最後まで話を聞くことで、子どもと保護者の気持ちをしっかり受け止め、嫌な思いをしたことに関しては共感し寄り添いましょう。その上で、保育士はトラブルを通して子どもの成長に繋げたい想いを持っていること、そのために責任をもって見守ることを保護者に理解してもらいましょう。その後は密に連絡をとり、様子を報告することも大切です。
CASE2.行事での子どもの役割決めに関するクレーム
発表会や運動会では、配役や種目など子ども達が『やりたいこと』を選択する機会があります。子どもの意見を尊重し、全員の希望が叶えられることが理想です。しかし人数の関係などで必ずしも思い通りにならないこともあります。
そして家に帰ってから「この役は嫌だった」、「先生が決めた」など、保護者に訴えることがあるかもしれません。特に意思表示がうまくできない子どもの場合、その場では不満を漏らさず不本意な結果をそのまま家に持ち帰ってしまいがちです。
また中には、子ども本人は配役や種目に執着していないにも関わらず、保護者の方が「どうしてウチの子はこの役なの?」、「違うものをやって欲しかった」という思いが強く、クレームとして訴えてくることがあります。
この場合もまず、内容はどうであれ腑に落ちていない状態にある事は事実なので、話を最後まで聞き、気持ちを受け止めます。
保護者が気持ちを吐き出し終わったら、実際はどんな決め方をしたのかを伝えましょう。自分で選んだけれども、本当の気持ちを言えなかったのか?優しい気持ちを持って友達に譲ってあげたのか?ジャンケンで公平に決めたのか?
その時の様子を話し、それを子ども自身がどの様に受け止めたかを、保護者と共に考えます。そして子どもの気持ちが理解できたら、役割選択にひそむ本当の目的を保護者と共有してください。
役割選択を通して子どもに理解してもらいたいのは、『全てが必要なもの』、『不要な存在などない』という事実です。
子ども達が不満を持っているのであれば、どの役割でも欠けてしまえば、全体が成り立たないことを説明しましょう。
それぞれが持つ魅力に気付くような遊びを取り入れる、楽しいと感じさせる取り組みを行うなど、全ての子どもが自分の役割に納得できるよう工夫してください。(もちろん始めから不満がでないよう、前もってこうした取り組みを行っておくのがベストです)
そして保護者にもその過程を理解してもらいましょう。
保護者が不満を持っていると、必ず子どもにもその気持ちは伝わってしまいます。
選択が子どもにとって満足のいく結果となるよう励まし、全員が楽しめる雰囲気づくりは、保護者の協力無くしてはできないのだと理解してもらってください。
プロフィール
木村 恵
保育園や幼稚園で保育士、幼稚園教諭を務め、現在は自宅でキッズルームを開業中。
子育て支援員認定講座修了、チャイルドマインダー資格保持。
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