認可園でも安心とは限らない!?問われる保育の質
- 保育ニュース
- 2015/06/05
安心安全とされる認可保育園で、子どもへの対応や安全に関するトラブルが増えています。その背景には、保育士不足のために保育の質を担保できないという問題がありました。
認可園でもトラブルが。背景には保育の質の低下
保育士の人数や、施設の広さ、防災管理などの国が定めた基準を満たしており、子どもが安全に過ごす環境が整備されているとされている認可保育園。保育料の安さなども相まり、保護者からは高い人気を誇っています。
待機児童問題が特に深刻な都内では、認可保育園の増設や、認証保育園の認可化といった動きが活発化。先日は認可保育園が不足している練馬区や目黒区の保護者らが設置を求めてデモ活動を行ったことがニュースとなりました。
認可園を増やそうという動きは喜ばしいものなのですが、それに伴い質の高い保育士の確保がより一層難しくなっています。その結果、保育に慣れたベテラン保育士が必要数配置できず、経験のない新人保育士を多数採用してしまったため、子どもへの指導や安全に関するトラブルが発生するという園が出てきているのです。
実際に文京区では、とある認可園の保護者から「足の踏み場もない場所に寝かされている」「全身ほこりまみれで帰ってきた」といった苦情が寄せられました。
そこで区は今年4月以降、区立保育所の元施設長らが毎日巡回し、子どものあやし方から人員配置といった園の運営全般について指導するという対応を行っています。
(参考サイト:
都内の認可保育施設、トラブル多発 定員増に人材追いつかず(日本経済新聞))
新人保育士の育成と、ベテラン保育士の復帰が求められる
保育士試験の年2回化や、給与や福利厚生等の待遇改善など、保育士を増やし定着させるための施策が色々と打たれていますが、
子どもの安全を守り健やかな成長を促すために、今後は保育士の質をいかに保つかということも重視していかなければなりません。
そのためには、経験の浅い保育士の育成とベテラン保育士の職場復帰促進が不可欠です。
保育士の育成のためには、上記の文京区のような保育指導や、経験が浅い保育士がいち早く独り立ちするための実践的な研修を、自治体や保育園の運営法人が主体となって進めることが必要です。
あわせて、潜在保育士の中でも経験の長いベテランの職場復帰を促すために、家事や育児と両立可能な柔軟な勤務体系や、経験に応じた給与プラン導入が求められます。
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